カーボンアイアンシャフトが“市民権”を得た? 流行の背景は選択肢の増加と体への負担 …さらには物価高騰も!?
スチールシャフトに比べて「衝撃吸収能力」が優れている
また、実は女子プロの多くがカーボンアイアンシャフトにシフトしたもう一つの理由に体への負担が少ないことが挙げられます。これは私のフィッティングでも必ず話す内容ですが、カーボンシャフトはスチールシャフトに比べて、「衝撃吸収能力」がかなり優れています。 実は手首、ヒジ、肩、首に多少なりとも違和感を持っている女子プロは多いです。当たり前ながらプロの練習量は我々アマチュアゴルファーの比ではありません。そんな彼女たちが少しでも体への負担を減らすために採用したのがまさにカーボンアイアンシャフトなのです。 ゴルフを始める年齢が低年齢化する中で、ジュニアゴルファーの体への負担は決して少なくありません。女子プロだけでなく、学生や研修生などもカーボンアイアンシャフトの使用割合が増加傾向にあるのはこういった理由があるのです。 この流れは間違いなくアマチュアゴルファーにも浸透しています。フィッティングをしていても5年以上前までは男性ゴルファーは「男はスチールだろ」という考えが根強い印象でした。しかし、近年はカーボンアイアンを目当てにフィッティングを受けに来る人も増えました。 また、これはたまたまですが世界的に鉄の金額が高くなり、結果スチールシャフトの価格も以前より高くなりました。これもカーボンシャフトに移行するきっかけになったという人もいます。 こう説明していくとさまざまな背景がありますが、近年は間違いなくカーボンアイアンシャフトが市民権を得たというのは間違いありません。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
石井建嗣