ガーナも主力不在 なぜ来日する海外チームは拍子抜けメンバーなのか?
8月のウルグアイ代表のように、対戦相手がほぼベストのメンバーで来日することは非常に稀だ。そのウルグアイにしても、敗退の危機に直面しているW杯南米予選へ向けて、4位に入ったコンフェデレーションズカップからのいい流れを途切れさせないため、という切羽詰まった事情があった。 親善試合で日本代表の強化を図るならば、アウェーの地に臨むしかない。ザックジャパンで言えば、フランス代表に1対0で勝利し、ブラジル代表に0対4で完敗した昨年10月のヨーロッパ遠征となる。 特にブラジル戦後には、選手たちは「もっとこういう試合がしたい」と声をそろえていた。もっと成長するために、より強い相手と、より厳しい条件下で戦うことを求めていた。 実は昨年末の時点で、9月6日はリオネル・メッシ(バルセロナ)を擁するアルゼンチン代表、10日には南米予選で3位につけるチリ代表のスケジュールが空いていた。 季節が真逆になる南米大陸での2連戦を組むことも可能だったが、日本サッカー協会は最終的に国内での親善試合を選択した。代表戦における地上波のテレビ放映権料と入場料が収入の二本柱となる、という背に腹を変えられない事情もあるのだろう。 アフリカ大陸のW杯出場枠は5。本大会では50%以上の確率で、ザックジャパンはアフリカ勢とグループリーグで同組となる。 加えて、ガーナ代表は2006年ドイツ大会でベスト16、前回南アフリカ大会ではベスト8進出を果たしている。キャプテンのMF長谷部誠(ニュルンベルク)も「今の僕たちにベスト16、ベスト8の力があるかどうかを試せる」とガーナ代表戦を位置づけていた。 それだけに残念なガーナ代表の陣容となったが、幸いにも守備陣のレギュラーはほぼ全員が来日している。「ゴールは奪えるようになってきた」というザッケローニ監督の言葉を証明して、セルビア代表(10月11日)、ベラルーシ代表(同15日)とアウェーで対戦する来月のヨーロッパ遠征へつなげるしかない。 (文責・藤江直人/論スポ)