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山中温泉に新交流拠点 カフェ「ロビー」、地元食材のメニュー提供

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北國新聞社

 加賀市山中温泉本町2丁目の古民家を再生したカフェ「ロビー」が9月2日、オープンする。古民家は地元の名士が所有し、約10年前に取り壊しが始まると住民から惜しむ声が上がり、途中で中止した経緯がある。生まれ変わった空間では地元食材を使ったメニューを提供するほか、風呂セットや浴衣の貸し出しなど湯の街の散策を促す仕掛けを計画し、新たなにぎわい創出につなげる。

 カフェはまちづくり会社「まち未来製作所」(横浜市)が、山中温泉中心部にある鉄筋コンクリート2階建ての古民家と併設の蔵(延べ床面積約120平方メートル)を地元の不動産業者から借りて整備した。

 古民家は昭和20年代に建てられ、地元の実業家が所有していたという。取り壊しは急きょ取りやめとなったため、屋根や外壁には解体の痕が残っている。

 再生したカフェの1階にはキッチンとフロントを配置した。2階は客席で、加賀棒茶を使ったメニューなどを出し、窓越しに山並みの眺望を楽しむことができる。蔵は歴史を感じさせる梁(はり)や桁(けた)、扉などを残し、客室として用いる。

 フロントでは9月中に設ける簡易宿泊所のチェックインや風呂セットの貸し出し、荷物の一時預かりなどに応じ、地域の名所を案内する。今後、浴衣のレンタルなどにもサービスを広げる。整備費の一部はインターネットで資金を募るクラウドファンディングで賄った。

 簡易宿泊所はカフェ近くの山中温泉東町2丁目にある木造2階建ての空き家を改修して設ける。山中芸妓(げいぎ)が住んでいたとされることから、外国人観光客にも分かりやすいように「ゲイコハウス」と名付けた。1棟貸しで、料金は1泊3万5千円からとなる。

 まち未来製作所によると、住民の日常を体感してもらうことで定住を促す狙いもあり、将来的には宿泊所を増やし、空き家の解消につなげたい考えだ。

 同社は加賀市の100%出資会社「加賀市総合サービス」が行う電力事業のコンサルタント業務に携わったことがきっかけで同市に進出した。

 温泉街を一つの宿に見立て、カフェを拠点に地域資源をつなぐ「まちやど構想」を描いており、加賀支店の関根啓介マネジャーは「ロビーを生かして交流人口を増やし、町全体を元気にしたい。空き家は全国的な問題であり、山中温泉の取り組みをモデル事業にしたい」と話した。

北國新聞社