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アルバルク東京の主将を10年務めた正中岳城、誰よりもプロフェッショナルだった男の最後の言葉

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バスケット・カウント

「このチームでやり続けたいという気持ちが大きかった」

文=丸山素行 写真=野口岳彦、B.LEAGUE 今シーズン限りでユニフォームを脱いだアルバルク東京の正中岳城。Bリーグが誕生したことでほとんどの選手がプロ契約を結ぶ中、正中は数少ない社員契約でのプレーヤーだった。それでも、「社員選手だからと言って、アマチュアの選手としてプレーしていたわけではありません」と断言するように、正中は誰よりもプロフェッショナルな姿を見せ続けた。13シーズンのキャリアに終止符を打った正中に、選手として最後のインタビューを敢行した。 ──引退会見も終え、文字通り選手としての最後を迎えますが、あらためて感慨深いものはありますか?  今はもうないですね。バスケット選手らしい感じで過ごしていないので。ロッカーの整理とか、体育館を離れたり、そういうところでリアルな終わりを感じました。さよならなのか分からないですけど、大事な区切りという感じですね。 ──正中選手は数少ないアマチュア契約だったと思います。バスケ以外の仕事も並行してやっていたのでしょうか?  トヨタ自動車の業務はしていないです。Bリーグの契約で言うと、バスケットボールチームオペレーションというところに所属して、バスケットボールを主たる業務として行う会社に出向していた形です。社業そのものがバスケットなので、社業をしていたと言えばしていたことになるかもしれないですが、バスケットの仕事だけです。 ──そういう意味では他の選手に比べて、トヨタ自動車愛は大きかったりしますか?  他の選手がどう思っているか分からないので比較はできないです。どちら側という『側』はチームにも会社にも存在しないので、特別な感情はないですね。 ──あらためて、なぜ社員契約を選択したのでしょうか?  Bリーグになる前は全員がプロではなく社員選手で、嘱託選手か正社員選手でやるかの2つでした。Bリーグになってプロ契約とアマチュア契約があって、そこでこれまでと同じ立場で同じようにプレーできる環境が整っていたので選びました。プロになるかどうかという選択肢がなかったので、これまでと同じようにやらせてもらいました。 ──リーグが成長し、選手の待遇も向上しました。その中で他チームでプレーすることを考えたことはないのですか?  お金というところでの判断基準は持ってなかったですね。このチームでプレーできるかが大事でした。 ──プロ選手にとってサラリーは選手の価値を決める物差しになると思います。今の選手たちはそういった情報を天秤にかけて、クラブを選択することも多いようです。 それがリーグが目指す『夢のあるリーグ』としての姿なので良いことだと思います。僕もこれまでと同じような立場でできなかったり、もうプレーできないと言われたら多分考えた道だと思います。ただ、こうした環境を用意してもらえたので他の選択肢を持っていなかったです。 お金のために移籍するという発想を自分の中で持っておらず、今ハッと気づかされるくらいです。当時はどのようにリーグが発展していくのか見えなかったところもあるし、あまり自分に対して自信を持てていなかったからこの道を選んだかもしれないですね。ただ間違いなく言えるのは、このチームでやり続けたいという気持ちが大きかったということです。

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