大阪府・吉村知事が定例会見6月3日(全文2)ウイルスは確実に市中にいる
東京と大阪の差は?
関西テレビ放送:関西テレビの竹内です。東京の感染者数が増えてアラートが出されたかと思うんですけども、大阪で感染者が増えてないことを見たときに、東京と大阪の今考えられる差ってどういったことがあると思われますか。 吉村:これはちょっと僕も分からないんですが、1つはやっぱり都市、大都市の規模の差っていうのはあるんだろうなと思います。東京は1300万人都市ですし、人と人との交流というのは大阪よりはやっぱり大きいので、感染が起こりやすい環境にあることは間違いないだろうというふうには思っています。 もう1つはやっぱり大阪の特性というのがあるんじゃないかなと、関西人の特性というか、いろんなもともと自由な性格の人が多いわけですけども、災害とかそういう危機管理対応になったら一致団結してやるという、そういった府民性というか、そういったのもあるんじゃないかなとは思っています。というのも全国で一番、この緊急事態宣言期間中、人の数を減らしてくださいといって一番都市部で減ったのは大阪でしたから、そういうことを踏まえて考えてもやっぱりそういった府民性というのはあるんじゃないかなとは思います。 でも、これは大阪でもいつ起こってもおかしくない状況だと思います。ウイルスは確実に市中にいると思いますし、都市性で言っても東京に次いで2番目に大都市なのは大阪府、特に大阪市内が一番都市としては非常に成熟している都市なので、人が集まってきますのでね。そういった意味では、今はゼロだけど東京のように増えてくる、あるいはどこかでクラスターが発生するというのは確実に起きてくると思います。だからそこはある意味想定内として、この大阪のゼロがずっと続くとは思わないほうがいいと思っていますし、僕自身もそういう想定には立っていません。
バランスを取り続けることが重要
なので起きたときにいかにクラスターを見つけて、抑え込みをかけていくのか、感染の急拡大を抑えていくのかっていうのをやりながら、ある意味、それとはまたちょっと矛盾する形にはなりますけども社会経済活動を復活させていくのか、ここのバランスを取り続けることが重要じゃないかなというふうに思っています。 きのうの会議でも出ましたけど、やはり飲食とかいわゆるホテル、観光、運輸もそうですけども、売り上げベースでも8割、9割落ちているというふうに聞いていますので、売り上げで8割、9割落ちているってもう普通は倒産ですんでね。ある意味ものすごい経済的な危機が今、起きていると認識すべきだろうと思っています。そうなってくるとやはり倒産も増えてくる、失業者も増えてくる。現に生活保護の申請は3割から4割増えていると聞いていますし、失業者と倒産が増えてくる。そうなってくるとあってはならないことですけど、命を落とされる方も、やはりこれは歴史的な事実として生まれてくるということを考えたときに、極めてわれわれは、そういう意味で府民の命を守るっていう意味では、経済的な危機というのは非常に僕は強いリスクを感じています。 普段報道されるのは、今日は東京でアラートがつきましたとか、東京で10人出ましたとかっていう報道ですけど、一方で報道されてないそっちのほうが、僕はどちらかというとリスクとしては非常に大きいんじゃないかと今、思っています。どっちもやらなきゃいけないんです、感染症対策をやりながら。 そういった意味で経済もある程度動かしていく、ガイドラインを作って、感染防止対策を取って動かしていくというのを今やっているので、それをやる以上、やっぱり感染者は出てきますから、東京で出ているのと同じように大阪でもやっぱり出てくると思います。そのときにいかに早く抑え込むかっていうところに力を入れたいと思います。そのために検査能力を高めていく、保健所の能力を高めていく、医療体制を高めていく、そういうことが必要だろうと思っています。 【書き起こし】大阪府・吉村知事が定例会見6月3日 全文3に続く