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スカパーJSAT、デブリ除去サービス事業に着手。レーザー搭載衛星を開発へ

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スカパーJSATは6月11日、スペースデブリ(宇宙ゴミ)除去の事業化に向けた衛星の設計と開発に着手することを発表しました。デブリ除去事業は2026年のサービス開始が予定されています。 世界初「軌道上からデブリを取り除くミッション」が2025年に実施予定

■デブリの一部をレーザーで蒸発させて推力を得ることで軌道を変え、大気圏へ突入させる

1957年10月のスプートニク1号以来、人類の手によって数多くの人工物が打ち上げられ、地球を周回するようになりました。その一部は人工衛星や宇宙ステーションとして利用されているものですが、燃料切れや故障などで使われなくなった人工衛星をはじめ、大小無数のデブリも周回しています。制御できないデブリには別の人工物と衝突する危険性があり、直径が1cmを超えるデブリが衝突すると深刻なダメージを受ける可能性が指摘されていることから、デブリの除去や発生させないための対策が急がれています。 今回スカパーJSATから発表されたのは、制御が失われるなどした人工衛星を除去するためのレーザーを搭載した衛星の開発です。レーザーによる衛星の除去といっても衛星を直接消滅させるようなものではなく、レーザーを当てたごく一部分を加熱・蒸発させる(レーザーアブレーション)ことで、スラスターを噴射したのと同じように小さな推力を発生させる方法が採用されています。 たとえば、衛星の重心から離れたところ(ソーラーパネルなど)へ適切にレーザーを当てれば、制御できない衛星の回転を止めることができます。また、重心に近いところを狙ってレーザーを当てれば衛星の軌道を変えることができるので、大気圏へと突入する軌道に乗せることも可能です。 専用の衛星によるデブリ除去事業としてはスイスのスタートアップ企業「クリアスペース(ClearSpace)」によるミッションが2025年に予定されており、ロボットアームを備えた衛星がデブリをキャッチして一緒に大気圏へ突入する方法が採用されています。いっぽうスカパーJSATでは、デブリに接触しないことで安全性を高められることと、軌道を変えさせるための燃料を積み込む必要がないことから、レーザーを利用する方法を採用しています。 なお、衛星の開発には理化学研究所、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、名古屋大学、九州大学も参加することが明らかにされています。スカパーJSATは発表において、デブリ除去事業を通して持続可能な宇宙環境の維持に貢献していきたいとしています。

松村武宏

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