病気の情報はどこから得ますか?
情報源としての学会・協会ホームページ
他の学問領域と同様に医学にも数多くの学会があり、医師は自分の専門分野の学会に所属して、学術・研究活動を行っています。学会というと、患者さんや一般市民には関係がないように思うかもしれませんが、臨床医学系の学会の中には、患者さんや一般市民向けの情報を積極的に発信している学会も少なくありません。自分の病気について一般的な情報を知りたいときは、学会のホームページを調べてみるのも一つの方法です。その病気を専門とする学会が発信しているので、基本的に信用できる情報と考えられるからです。 例えば日本糖尿病学会の場合、スマートフォンで日本糖尿病学会のホームページにアクセスして、右上にある「MENU」を選択します(ちなみに、メニューを示す漢字の「三」に似たマークのことを、ハンバーガーボタンまたはハンバーガーメニューと呼びます。見掛けがハンバーガーを横から見た形に似ているからだそうです)。すると一番下に「一般の方へ」が出てきますので選択すると、患者さんや一般市民向けに書かれた情報を閲覧することができます。 例えば「一般の方へ」→「糖尿病の治療について」→「2型糖尿病はどのように治療するのか?」を順に選択すると、食事療法、運動療法、薬物療法について基本的な説明を読むことができます。ただし、治療法は日進月歩ですので、情報がいつのものであるかがとても重要です。その点、日本糖尿病学会の「一般の方へ」は、末尾に更新日が記載されているので、いつの情報かを確認できます。 患者さんや一般市民向けに情報を提供している学会としては他に、日本皮膚科学会(「皮膚科Q&A」で皮膚科領域の病気に関する情報を閲覧できる)や日本癌治療学会(「がん診療ガイドライン」で各学会が作成した臓器別のがんの診療ガイドラインを閲覧できる)などいろいろあります。 学会のホームページでは、その学会が認定した専門医を調べることもできます。日本糖尿病学会では、「一般の方へ」→「糖尿病専門医を検索」と順に選択すると、都道府県や医師の名前などで検索できます。糖尿病専門医は文字通り、糖尿病診療に精通したスペシャリストですので、病院・診療所を探すときなどに参考になります。 また、日本糖尿病協会のホームページにも、患者さんや一般市民向けの情報が提供されています。スマートフォンの場合、右上のハンバーガーボタンから「患者さんへ」を選択すると、災害時の対応法や季節のイベントなど、さまざまな情報にアクセスできます。 北澤京子(きたざわ きょうこ) 医療ジャーナリスト 京都薬科大学非常勤講師 *『月刊糖尿病ライフさかえ 2024年3月号』「賢く付き合おう! 健康・医療情報」より