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ベテラン・シニア人材を“戦略的”に活用するために何を重視すべきか

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日本の人事部

高齢化や人手不足が大きな社会問題となる中、ベテラン・シニア人材の活躍に期待する企業が増えている。人生100年時代を迎え、高齢になっても働くことが当たり前となった今、企業はどうすればベテラン・シニア人材をより戦略的に活用することができるのだろうか。本セッションでは、サトーホールディングスの江上茂樹氏、ソニーの大塚康氏が、ベテラン・シニア人材の活用・キャリア支援に関する自社の取り組みを紹介。青山学院大学の山本寛氏がファシリテーターとなり、ベテラン・シニア人材の自律性や成果を上げるためのポイントについて議論した。

「引退モード」から「やりきるモード」へ

最初に登壇したサトーホールディングスの江上氏は、シニア人材活用の事例を二つ挙げた。一つ目は、定年制度の変更。2013年4月に施行された「改正高年齢者雇用安定法」により、希望者は65歳まで働けるようになったが、同社ではそれに先立つ2007年4月に定年を65歳へと引き上げている。 「年齢に関係なく、やる気があればいつまででも働ける」ことを最終目標に、段階的に制度を見直し。2011年4月には、65歳以降の雇用更新制度として「あなたと決める定年制」を導入した。2017年4月には役職定年を56歳から60歳へと引き上げた。 「これまでの制度では、56歳の役職定年で賃金が一旦下がり、60歳から65歳まで下がり続けるという賃金カーブでした。仕事内容が変わらないのに賃金が下がる状況にモチベーションが下がり、この層は一言で言うと『引退モード』の傾向が強くなっていました。しかし、役職定年を引き上げ、賃金カーブも変更することで、モチベーションの急落がないようにしました」 これまで56歳、60歳と二度あった減額ポイントを60歳のみの一度に減らし、従業員には60歳まで走り切ってもらう。代わりに60歳で役割を大きく変え、減額をするという方針へと切り替えた。ただし、引き続きライン管理職を担うケースなどは、60歳以降も減額しないルールも作った。 二つ目は、マインドの熟成。「『引退準備』ではなく、『活躍しきる』モードに意識が変わってほしい。こうした思いから、キャリアセミナーでも退職に向けてどうするかという内容から、もっと長い目で見たライフプランや志といった観点の内容へと変更しました」 さまざまな取り組みを行うなかで、本質的には「個」にフォーカスすべきものであることがわかってきたと江上氏は語る。健康や家庭など、人それぞれに置かれている状況は異なる。制度にすべてを委ねるのではなく、個々の状況に柔軟に対応し、それを組織のニーズに重ねていく。本人が「会社に必要とされている」と感じることが、シニア活躍の鍵だという。 「会社と本人、双方のマインドチェンジが必要だと思います。会社は『社内活用』に閉じていた選択肢を、社外も含めた『躍進支援』に。本人は『会社が与えてくれる』キャリアから、『自分で切り開いていく』という発想にシフトしなければいけません」

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