iPhone 16のオーディオミックスって便利なの? 徹底検証してみた
後ろで電車が通っても、声は聞こえるか?
次に、実際にオーディオミックスの性能がどんなものなのか、もっとうるさい場所で撮った動画で検証してみます。 オーディオミックスでは、効果のかかり具合を0から100の間で選べます。スライダーで編集を行なえて、リアルタイムに変化を聞くことができるので便利です。 撮影場所は踏切。背後に電車が通った瞬間の映像なので、先ほどよりもはるかにうるさく、話者の声はほとんど埋もれてしまっています。 まずは、効果を50%適用します。電車の音につぶされてはいますが、それでもフレーム、スタジオは頑張って声を持ち上げています。このレベルのうるささだと、シネマティックでは太刀打ちできません。 では、75%だとどうか。だいぶ後ろの電車の音が抑制されました。100%にすると、ほとんど電車の音は聞こえません。話者の声だけになっています これはすごい。AIで電車の音が判別され、声だけ抜き取られているってことなんでしょう。うるさいところで撮影してしまった動画でも、喋っている内容をちゃんと聞こえるようにしたい時に、一瞬で編集できちゃいますね。
すごいけど、まだ実用的ではないかも
検証の結果、確かにオーディオミックスに感動はしたものの、まだ実用的なレベルには達していない印象です。 というのも、環境音を抑えて声を強調してくれるものの、その肝心の声の音質があまり良くない。もちろん周囲のうるささにもよりますが、外で撮影した場合、現時点では使い物になる音質とは言い難いです。 なので、個人で撮った動画の声を少し聞きやすくする程度の、遊び感覚で使うのが適しているかと思います。仕事やクリエイティブな作業でも使えることを期待していたので、少し残念でした。 とはいえ、これはiPhoneにおける初の音声編集機能です。カメラ性能だけでなく、オーディオ性能にも注力し始めてくれたことはありがたい限り。これからのアップデートで、どんどん良くなっていくことに期待したい、面白い機能です。 Source: Apple
小野寺しんいち