まずは“好みの恐怖”を知るのが大切 オカルト研究家・吉田悠軌が教える ホラーコンテンツを楽しむためのコツ
好みの“恐怖”とめぐり合いたい
――今、ホラーはコンテンツもメディアも多すぎて、正直、玉石混淆な状態だと思うんです。「面白そう! 恐そう!」と思って手を出した動画や本がフィットしないことも……。自分に合うコンテンツを探す人へのアドバイスをいただけますか。無論、この本に登場するクリエイターの作品は太鼓判だと思うのですが。 まず、自分の好みの恐怖を知るのは大切ですよね。確かにここに登場してくれた方々の作品はおすすめなのですが、もしかしたら、パーソナルな恐怖の好みには合わないかもしれない。 20年近くホラーやオカルトの世界に身を置いてきて、ホラー好きの中でも恐怖の好みって人それぞれ全然違う、としみじみ思います。 例えば「超自然現象は絶対だめだけど人怖(ヒトコワ、生きた人間が引き起こす恐怖)とか血まみれは大丈夫」とか「ノンフィクションは絶対無理」とか。 今は20年前と比べたら本当にいい時代。YouTubeには無料コンテンツがあふれているし、竹書房の怪談文庫だってKindle Unlimitedで読み放題なんですから、1カ月入って読み漁るとか、いいと思いますよ。 ――最高の夏になりそうですね! 『ジャパン・ホラーの現在地』の巻末には、本の中のお話に登場する作品のリストも大量に掲載されていて、コンテンツ選びにもぴったりです。 実は、7月にはもう1冊、『教養としての最恐怪談 古事記からTikTokまで』(ワン・パブリッシング)という歴史的な名作怪談のあらましを集めた本も出版されておりまして、2冊合わせて読んでいただけたら、ひと夏楽しめるのではないかと思います。 吉田悠軌(よしだ・ゆうき) 1980年、東京都出身。怪談・オカルト研究家。怪談サークル「とうもろこしの会」会長。実話怪談の取材及び収集調査をライフワークとし、執筆活動やメディア出演を行う。近著に『教養としての最恐怪談 古事記からTikTokまで』(ワン・パブリッシング)など多数。X:@yoshidakaityou
ライフスタイル出版部