Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

急成長の中国ネトゲが日本で猛攻勢 コロナ禍で「プレイ時間も課金も増えた」

配信

ハフポスト日本版

日本も厳しい環境

外出制限が緩和されつつある中国とは対照的に、日本は緊急事態宣言を延長した。「ステイホーム」がしばらく続くのを見越して、中国発のゲーム会社は投資を拡大するつもりだ。 2018年に日本で「ドールズ・フロントライン」をリリースした上海市の「散爆網絡科技(サンボーン)」の黄チュウ(“羽”の右に“中”)社長は、新型コロナの影響で「中国ではユーザーが2割から3割は増えた」と明かしたうえで、今の日本も「中国と似た環境にある」と商機を見出している。 「ドールズ」は2016年に「少女前線」という名前で中国で始まり、2018年に日本進出を果たしたゲームだ。第三次世界大戦後という設定を舞台に、プレイヤーは民間軍事組織の指揮官になりきって任務をクリアしていく。 中国版でも日本人声優が日本語で音声をあてていて、中国のファンの心を掴んでいるという(黄社長曰く「日本の声優はスターみたいな存在」)。 日本版のリリースから1年半。具体的な収入などは非公開だが、黄社長は「日本でビジネスをするのは初めて。日本の会社とやりとりすることも、仕事のプロセスも模索段階だった。複雑な市場だった」と必ずしも順調ではないことを示唆する。 日本ユーザーの嗜好を把握することと並行して、「サンボーン」に立ちはだかるのは競合の多さだ。サイバーエージェントなどが成長を続ける一方、DeNAやmixiなど、人気タイトルを保有する企業でも、競争の厳しさゆえに収入は減少傾向だ。 それでも、投資を続ける方針には変わりない。黄社長は「リスクを取らないことには成長はない。ユーザーが多い時には、積極的にゲーム内イベントを企画する。ファンが増えれば、アニメ化やコンサートの開催など、違う領域にコンテンツを広げ、また新しいファンを獲得するつもりだ」と意気込んでいる。

ゲーム規制の影響は?

サンボーンのように、飛び抜けて強力なタイトルを持たない会社には、日本と中国いずれの市場でも厳しい競争環境で生き残ることを強いられる。 ましてや中国では、2019年11月に未成年のネットゲームのプレイ時間や課金を制限する規則が生まれた。黄社長は「政府の決定には協力する。プレイ時間に影響は出ているが、全体に大きな影響があったとは言えない。(制限の内容も)正常な範囲の中だ」と、影響の軽さを強調する。 しかし、ゲーム会社の収入の柱である課金への制限については「自分の能力にあった、合理的な範囲でお金を払ってプレイして欲しい」と歓迎する意向を示しつつも「全体として大きくはないが、一定の影響はあった」とこぼす。 「課金への抵抗感が中国より薄い(黄社長)」という日本での成長は、会社にとっても欠かせない。コロナ禍の日本では、ニンテンドースイッチや「どうぶつの森」が多くの店舗で品切れになるなど、ゲーム需要の高まりは明らかだ。 このタイミングで成長できるかが、今後の明暗を分ける可能性は高い。競争は一段と激しくなるが、黄社長は「競争が激しいというのはいい点も悪い点もある。悪いのは会社へのプレッシャーが大きいこと。良い点は、競争を通じていい製品を出せるようになることだ。いいポジションをつかんでしまえば、将来の収入はいいものが見通せる」と強気の姿勢を崩さずにいる。

高橋史弥(Fumiya Takahashi)

【関連記事】