生徒にアイス食べられ立腹、ビンタ 「指導範囲を逸脱」宝塚市立中・柔道部顧問を懲戒免職
兵庫県教育委員会は24日、部室にあったアイスキャンデーを食べた柔道部員を暴行し、全治約3か月のけがを負わせるなどした宝塚市立中学校の柔道部男性顧問(50)を懲戒免職処分とした。 ■5分にわたり投げ技、寝技、絞め技……失神後もなお暴行 男性顧問は2020年9月下旬、武道場の冷凍庫にあったアイスキャンデーが一部なくなっていたことに立腹し、思い当たる1年生の部員2人から聞き取りを行った。2人とも事実を認めたため、うち1人に対し約5分間にわたって技をかけ続けたところ、首を絞められた部員は失神。顧問はさらに目を覚まさせようと腹部を両手で強く押し、頬を強くビンタした。部員は腹部を押された際に背骨を圧迫骨折‘(全治3か月)する大けが。顧問はもう1人の部員にも約3分間寝技をかけ続け、首や腰などにけがをした(全治1週間)。 ■「生徒への細やかな対応」評価も……過去にも2度体罰で懲戒処分 副顧問は傍観 その後、部員の説明や保護者からの被害申告で発覚、顧問は10月中旬に兵庫県警に傷害容疑で逮捕され起訴された(のち起訴)。顧問は2013年にも生徒の頭を足で踏み、頬を蹴るなどの体罰で2度の訓告と3か月間の減給の懲戒処分を受けており、市の教育委員会による事後研修やアンガーマネジメント研修を受けたという。 顧問は周囲から「生徒に細やかな対応をする」と評価されていたというが、県教委の稲次和彦・教職員課長は懲戒免職とした理由として「本人は『厳しい指導をした』と言っているが、その範疇をはるかに超えており、体罰と呼べない。本来自分たちが守るべき生徒に対しての傷害だ」と厳しい表情で述べた。 なお、40代の副顧問は2人への暴行を見て、体罰にあたると認識していながら傍観。聞き取りに対し「激しい剣幕に静止することができなかった」と話した。副顧問は3ヶ月間の減給(10分の1)の処分を受け、今後は同校の柔道部の指導から外れる。
ラジオ関西