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【新型コロナA-Z】PCR検査ってどんなもの

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ニュースソクラ

遺伝子技術でウイルス遺伝子を100万倍に、検査精度上げる

 日本は諸外国に比べ新型コロナウイルスの検査数が異常に少なく、それが医療現場を混乱させてきた。では、PCR検査とは、いったいどんな検査で、なぜなかなか検査数が増えなかったのだろう。  PCRとはPolymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の略で、核酸増幅法ともいう。ウイルスなど顕微鏡では見ることのできない病原体の有無を調べるため、粘膜や痰などの検体を採取し、調べたい病原体のDNA配列(遺伝子の一部、新型コロナウイルスの場合はRNA)にくっつけられるDNAを使って、病原体のDNAを数時間で100万倍にまで人工的に増やす。これにより検査の精度を上げている。  増やしたDNAを染色し、特殊な装置を使用することでこのDNAに目的の病原体があるかを確認する。目的の病原体があれば陽性となり、なければ陰性と判断される。かかる時間はだいたい1日だが、混雑していると数日かかることもあった。  島津製作所は、独自技術で増幅作業を省くことにより、検査時間を1時間以内とする検査キットを4月20日より発売している。100回分で22万円強となっている。  では実際にどう検査しているのか。  検査は対象者から検体を取る段階と検査機関がそれをチェックする2段階になる。国立感染症研究所の示す検体採取マニュアルによれば、検査員は長い綿棒を使い、鼻の奥や喉から痰や粘膜、細胞を採取する。痰が取れない場合でも鼻咽頭ぬぐい液(鼻の最も奥をぬぐった際につく液)でよいという。  それを検査機関がPCR技術により、新型コロナウイルスだけが有している遺伝子の一部(配列)を増幅し、陽性か否かを調べる。血液や便、尿でも判断はできるが管理に手間がかかる。  PCR検査は3月初めには1日200人ぐらいしかできていなかった。これは検査の可否判断を保健所と帰国者・接触者外来に集中させていたためだが、ここを通じると費用は国の負担になる。  一方、検査が増えないことへの批判に応え、3月6日からPCR検査が保険適用されたことに伴い、医師の判断で各自治体の指定病院・検査所を紹介できるようになった。これにより、4月中旬には1日あたり8000人、下旬には1万人近く検査報告がされた日も出てきている。1月15日から3月6日までの合計が7200件だったのだから大きく増えたが、まだ海外と比べ多いとはいえない。  検査人数が増えなかったのは、国立感染症研究所の出す、厳しい感染管理ガイドラインにも原因がある。初期のころは、次の被験者にうつさないようにするため十分な空気の入れ替えをするため、ひとりに1時間もかけていた。合間に他の医療に携わるため検体を採取するひとが、ゴーグルや医療用マスク、防護服や手袋を検査のたびに装着しなければならなかった。それで、1人当たりにかかる検査時間をなかなか短くならず、検査の効率を上げることができなかった。  それを改善させるための、戸外で検体を取るテント方式や車から降りない「ドライブスルー方式」が次々と導入されている。所要時間は15分程度で、済むように改善し始めている。  検査の課題のひとつは、検査が完璧でなく、感染していないのに陽性となってしまう偽陽性、反対に陽性なのに見落とされる偽陰性が一定の割合ででてしまうことだ。感染していると軽症でホテルなどで外部との接触を絶つが、偽陰性の場合は隔離されないので感染源になってしまうリスクがある。    ◇       ◇        ◇  連日コロナ報道には接してはいるけれど、案外知らないこともまだまだ多い。新型コロナウイルスに関するあれこれをまとめます。GWにコロナ蘊蓄(うんちく)を増やしましょう。

ニュースソクラ編集部

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