“環境にやさしい” 養殖も登場 ウナギ商戦 ことしは争奪戦に!?【WBS】
梅雨入りしてから東京でもジメジメと蒸し暑い日々が続いていますが、週間天気予報を見てみると連日30度を超える真夏日の予想となっていて、中には35度の猛暑日となる地域もある予想です。こうした気温の上昇と共に夏バテ防止向けとして、売り上げを伸ばしているのが”ウナギ”です。土用の丑の日まで1ヵ月。養殖に必要なウナギの稚魚が減り、争奪戦も繰り広げられる中、環境にも財布にもやさしいという新しいウナギも登場しています。 土用の丑の日に向けて、イオンが今年仕掛けるのはボリューム戦略です。複数人でシェアできる特大サイズの蒲焼きを過去最大となる5万尾分用意したほか、白焼きの在庫も去年の5倍に増やします。 去年のうちに仕入れ先に対して数量を示し、全量買い取りを確約したことで大量のウナギの調達に成功。販売価格も去年とほとんど変わらないとしています。すでに予約数では去年の実績を10%以上も上回っているということです。 「金額ベースで去年よりも106~108%、これを目指して取り組んでいく。今年の土用の丑の日は土曜日。コロナ禍のニーズで家族志向が強まっている。大きいサイズのウナギを家族でシェアしてほしい」(イオンリテール水産商品部長の松本金蔵さん) 街のウナギ料理店でも土用の丑の日への準備が進められています。店の前に貼っていたのは予約開始を知らせる張り紙です。店にとって一番の書き入れ時ですが、ある問題が出ています。 「愛知の一色から仕入れている。価格は去年と比較すると50%近く上がっている。厳しい夏になりそう」(二代目串長の松本勇二郎代表) ウナギの価格高騰。その大きな原因はウナギの稚魚であるシラスウナギの漁獲量が30%以上減ったためです。卸売市場での平均価格は1キロ5040円。1年前と比べて20%ほど高くなっています。 この店ではタレの原料や持ち帰り用の容器などの仕入れ値が上がったことを受け、3月に1割ほどの値上げに踏み切りました。しかし、さらなる値上げは難しいといいます。 「持ち帰りがメインのためコロナ禍のときは良かったが、皆さんが外に出歩くようになって、売り上げが落ち込み始めている。その状況でさらに値上げはしづらい。これ以上、ウナギの値段が上がってほしくない」(松本代表)