Jリーグ再開は無観客想定も突きつけられた新たな難題
FIFProの調査対象に日本は含まれていない。それでも、FIFProの最高医療責任者が「社会的に孤立した状態に突然陥ったことがきっかけで、特に若い選手たちの間で将来に対する不安や疑問が生じている」と警告した状況は、約1600人で構成されるJリーガーも例外ではないはずだ。 3度設定されては流れてきたJ1およびJ2リーグの再開とJ3リーグの開幕は、いま現在ではいったん白紙の状態に戻されている。今後は1カ月単位で可否を探っていくなかで、例えば5月9日の目標が流れたJ1は1カ月後の週末となる、6月13日が最短での再開目標となる。 ただ、コンディションがゼロベースに戻った選手やクラブには、開幕前のキャンプと同じような準備期間が必須となる。現時点で日本プロサッカー選手会(JPFA)から具体的な要望は出されていない。イングランドのプレミアリーグと20クラブとの間で、再開までに3週間の練習期間を設ける申し合わせが成されたことを引き合いに出しながら、村井チェアマンはこう続けている。 「日本でも仮に3週間を練習期間に取れば、5月23日あたりに再開するか否かを伝えなければいけない。ただ、緊急事態宣言が解除されているかどうかは、今日の時点では私にもわかりません」 各クラブの練習再開をへて6月13日に再開できるかどうかは、全国を対象としてとして発令されている緊急事態宣言が予定通り5月6日をもって解除されることが大前提となる。しかし、新型コロナウイルス対策連絡会議で専門家チームの座長を務める、東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授(感染制御学)は、いまの状態が継続されることは避けられない状況にあるとブリーフィングで明言している。 「現状は市中感染が大きく広がり、東京など関東を中心に多発している院内感染を含めて、医療現場が非常に厳しい状況にある。5月6日の翌日から緊急事態宣言が解除される状況にはなかなかない」