野党、統一候補へ調整 自民、支持基盤固め着々 参院選鹿児島選挙区
6月22日公示、7月10日投開票が見込まれる参院選が迫ってきた。鹿児島選挙区(改選数1)で立候補の意向を示すのは、自民党公認の現職野村哲郎(78)=3期目、立憲民主党県連が推す新人柳誠子(61)、共産党が擁立する新人山口広延(47)の3人。支持基盤を着々と固める野村に対し、野党側は共闘態勢の模索が続いている。 野村は元JA県中央会常務で県農民政治連盟の組織内候補。県建設業協会など自民の友好団体の推薦を早々に取り付けた。連立政権を組む公明からも推薦を得て万全を期す見込み。 国会閉幕までは週末を活動の中心に据え、2月からJA県中央会の若手らと意見交換を重ねている。今月30日、党幹事長で所属する派閥の茂木敏充会長を招いて鹿児島市で開く政治資金パーティーを皮切りに、県内16カ所で国政報告会を計画。県連は来春の県議選も視野に入れており、現職県議の地域回りと連動させて足場を強固にする方針だ。
柳は、立民県連の代表で4期目の現職県議。4月上旬に出馬の意思を表明した。党本部の公認決定後に県議を辞職し、会見する予定だ。県連では、組織運営を巡って複数の議員が離反するなど内部で混乱が続いた。野村に対する出遅れ感は否めないが、野党統一候補を目指し、各政党・団体との調整を急いでいる。 最大の支持母体・連合鹿児島は公認を前に、柳氏の推薦を決定。29日のメーデー集会でも柳氏を紹介する予定だ。さらに立民と社民、国民民主の各党県組織などとつくる「5者会議」にも推薦を提案し、合意を目指している。 共産党県委員会は昨年12月に新人・山口の擁立を発表。以来、県内各地で集会や街頭演説を重ねる。 一方で、当初から「合意できる政策であれば、独自候補にこだわらない」との考えを示している。柳氏との候補の一本化については「党本部とも相談しながら、できるだけ早く結論を出したい」とする。 「市民と野党の共闘」を掲げ、市民団体を介して社民、立民と共通政策づくりを進めている。共闘の原則に「政策面の一致」を挙げており、互いにどこまで歩み寄れるかが焦点だ。
比例代表の県関係は、いずれも自民現職の宇都隆史(47)=2期目=と園田修光(65)=1期目。野村と同じ派閥の宇都は茂木氏を弁士に今月29日、園田は衆院議員時代から親しい菅義偉前首相を招いて5月末、それぞれ鹿児島市で集会を開く予定。地元での支持拡大が当選順位の上昇に直結するとみて動きを加速させている。