【京都牝馬S】やはりポイントは阪神! イベリス好走の要因と高松宮記念で密かに狙いたい馬とは
阪神を味方につけたイベリス
京都ではなく阪神で行われた京都牝馬S。この先2年間、関西圏はこういった状況が続く。2016年から1400mに距離を短縮されたこともあり、京都牝馬Sの過去データはことさら扱いづらい。もちろん舞台が阪神になったからといってすべてのデータが使えないわけではなく、なかにはそういったデータの取捨選択が巧みな方もいるだろう。 【競馬永久保存版】単勝が一番儲かる馬券!?回収率UP ローリスク・ハイリターンな買い方(1/2) データのなかには使えないデータがある。距離が1400mになった2016年から逃げ馬は9、5、5、17、11着。逃げ切りはマイル戦最後だった15年ケイアイエレガント以来なかった。 舞台が阪神になった途端にイベリスが京都牝馬Sを逃げ切った。これは阪神だからこその逃走劇だった。昨年まで京都牝馬Sが行われた京都芝1400mは外回りを使用、最後の直線は約400m。1400m戦はマイル戦ほど緩みがなく、逃げ馬は息を入れにくい。加えて最後は平坦な400mの直線。脚を溜めた馬が間に合ってしまう。過去5年間のデータはそれを物語る。 一方、今年の舞台は阪神芝内回り1400m。直線はAコースで356.5m。ゴール板でコンマ1秒を争う世界なので、この50m弱は大きい。阪神は最後に急坂がある。逃げ馬にもキツいが、後続馬の切れ味を削ぐ装置にもなる。今週行われる同舞台の阪急杯は過去10年で逃げ馬【3-0-0-7】。18年ダイアナヘイローなどペース次第で逃げ馬にも勝機は十分。舞台が阪神だったことでイベリスが受けた恩恵は大きい。 だがイベリスはこの恩恵だけで勝ったわけではない。発馬直後から最初の200m付近まで酒井学騎手はハミをしっかりかけ、手綱を押して周囲に迷わず逃げる姿勢を示し、後続を引かせることに成功した。他馬に「競りかけるな」と主張したことで、イベリスは後続のプレッシャーを受けずに走れた。 前半600mは前走阪神Cと同じ34.0だが、ヤマカツマーメイドやマルターズディオサのプレッシャーを受けた前走より余裕があった。阪神Cは残り800~600mが11.4。京都牝馬Sは11.7、たとえわずかでも3角付近でペースを落としたことで、コーナーを利用して坂下まで11.4-11.2と加速。イベリスより外を回らざるを得ない先行馬はみんなここで苦しくなった。一旦リズムを整え、早めに突き放しにいけたことが勝因である。