夏休み中、子どもが犯罪に遭う可能性も… 外出時や留守番など「子どもだけの瞬間」に注意 専門家に対策を聞いた
長野県内小中学校の終業式は23日がピーク。夏休みの子どもたちは、外出や留守番の機会が増える。県内では岡谷市で今月初め、女児が男に連れ去られそうになる事件が起きたばかり。犯罪被害に遭わないために夏休み中に気を付けるポイントや備えは何か。子どもの防犯に詳しい市民防犯インストラクター武田信彦さん(47)=東京=に聞いた。 【ひと目で分かる】子どもの犯罪被害を防ぐポイント
「子どもだけの瞬間」に注意
犯罪が起きやすいのは、子どもだけの瞬間だ。被害を防ぐ最善の方法はこの場面を極力なくすことになる。周囲に人が多いプールやレジャー施設でもリスクが高まる瞬間はある。仙台市の商業施設では昨年7月、親が目を離した隙に男が女児に声を掛け、体を触った上、抱きかかえて連れ去ろうとする事件が起きた。
夏休み中は子どもたちの活動時間が広がり、大人の目が行き届きにくくなる。子どもの目的地まで付き添ったり一緒に遊んだり、可能な範囲で気に掛けてほしい。地域の見守りが防犯になる。庭仕事や犬の散歩、買い物で出かける時など、それぞれの生活に合わせて実践してもらいたい。
子ども自身の観察力、判断力も大切だ。後ろから不審な人がついてきていないか素早く振り返って確認することが効果的。向こうから近づいてくる人には特に気を付けたい。話す際は大人が腕を伸ばしても体に触れられない距離を保つこと。外出時は防犯ブザーを持ち歩いてほしい。
「できません」と答える
犯罪者は心理的にも子どもをコントロールしようとする。お願いごと、誘いごとに「できません」と答えるよう子どもに伝えておきたい。「こんな時はどうする?」と、親子で練習しておくといい。SNS(交流サイト)を介して犯罪に巻き込まれるケースも目立っており、子どもと日頃からコミュニケーションを取ることが、ちょっとした異変に気付くきっかけになる。
留守番中は玄関だけでなく窓の鍵も掛けること。子どもが忘れてしまわないよう、玄関の内側に「鍵をかける」とメモを貼っておいても良い。インターホンや固定電話には応答しない。困った時のために子どもと緊急連絡先を共有し、近所で逃げ込めるような頼れる先を複数用意しておきたい。