チョコにトマトに純米酒!? 組み合わせ次第で驚くほどに変化する大人気カクテル
ネグローニは、まさに秋を閉じ込めたカクテルと言える。基本的にはベルモット、カンパリ、ジンを同量でブレンドしたクラシックなアペリティフであり、ジンはハーブの香りを、ベルモットは軽やかな甘みを、カンパリ(イタリア生まれのリキュールでビターズの一種)はスパイスと柑橘の風味を加え、完璧なバランスに仕上げている。ネグローニははまずイタリアで広まったが、今ではカクテルバーにおいてメニューに欠かせないほどのカクテルとなっている。 【写真7枚】「ネグローニ」を自宅で楽しむためのアイデア集
ネグローニの人気は高く、毎年9月には「ネグローニウィーク」というイベントまで開催されているほどである。ザ・ボタニストの「ディスティラーズ・ストレングス」の発売記念イベントで私(筆者シレーナ・ハー)が祝杯をあげたカクテルバー Mister Paradise(ミスター・パラダイス)では、ネオンの赤い光がカンパリのように会場を照らしていた。 ザ・ボタニストは、Shinji's(シンジーズ)やMilady’s(ミレディーズ)、Congress Bar(コングレス・バー)などニューヨークの一流バーからバーテンダーを招き、ネグローニの新しいユニークなツイストを披露した。興奮冷めやらぬ中、オープンマインドで4種類のネグローニのツイストを試飲したが、カクテルのビジュアルや味における変化を発見できた。トマト風味のビターズを加えて風味豊かにしたり、日本酒をひとさじ加えることで深みが出たものなど、幅広い味わいが楽しめることに実に驚かされた。 ニューヨークのウェストビレッジにあり、小皿料理とカクテルを提供するDante(ダンテ)は、多彩なネグローニをラインアップしている。チョコレート・ネグローニ、カフェ・ネグローニ、メスカリート・ネグローニなど、その数は15種類に及ぶ。「私にとってネグローニは慣れ親しんだ味です。ネグローニには独特の味わいがあるので、初めての方は最初は少し抵抗があるかもしれませんが、ネグローニほど気分を盛り上げてくれるカクテルは他にはないでしょう」とオーナーのリンデン・プライド氏は語る。 クラシックなネグローニが好きではない場合でも、自分の好みに合わせたものを見つけることができるだろう。スパイシーなものや、カフェイン入り、チョコレート風味のものなど、ツイストのバリエーションは豊富である。