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人を避ける選挙? 緊急事態宣言下ではじめての国政選挙 衆院静岡4区補選・現地ルポ(前編)

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選挙なのに人を避ける?緊急事態宣言下で行なわれる初めての国政選挙

新型コロナウイルスによる感染拡大が進む中、全国には緊急事態宣言が出されている。しかし、そんな状況でも予定通り行なわれている選挙がある。 4月14日告示、4月26日投開票の衆議院議員静岡4区補欠選挙だ(望月義夫元環境相の死去に伴う補選)。 この補選の告示に先立つ4月6日、国は7都府県に緊急事態宣言を出した。この時、静岡県は対象地域には入っていなかった。 しかし、補選告示後の4月16日、国は対象地域を全国に拡大した。そのため、静岡4区補選は「緊急事態宣言下で行なわれる初めての国政選挙」となっている。 私はもともと静岡4区の補選を取材する予定でいた。それは3月に行なわれた熊本県知事選挙を現地で見て、「有権者が落ち着いて選挙に向き合う権利が脅かされているのではないか」との疑問を抱いたからだ。 熊本県知事選では、現職は一度も街頭に立たなかった。それでも現職が当選した。投票率は45.03%で、前回知事選の51.01%から5.98ポイントもマイナスとなった。 しかし、静岡4区補選は全員が新人の争いだ。どんな選挙戦になるのかが気になり、現地取材をすることに決めたのだ。 本来であれば、立候補届出順に取材をしたいところだ。しかし、今回の補選取材は、私一人で全候補をカバーしなければならない。そのため事前に全候補の予定を調べ、純粋に地理的な要素で取材順序を決めた。それ以外の他意がないことはご理解いただきたい。 さて、いよいよ本題に入る。 私が補選告示の前日午後、各陣営に「第一声」の予定を聞いてまわると、異例の答えが返ってきた。 「出陣式や出発式はやりません」 そう答えたのは、ふかざわ陽一候補の陣営である。告示日は選挙区内にある龍華寺で望月氏の墓参を済ませた後、10時から龍華寺前で第一声の演説をすることだけが決まっているという。 この選挙には、4人の候補者が出ると予想されていた。私のように一人で取材をする場合、複数の候補者の第一声の時間が重なれば苦渋の選択をしなければならない。効率的な取材スケジュールを組むためには、全候補の日程を知ることが必要になる。 そこでふかざわ候補の事務所に告示日の全日程を聞いてみると、さらに驚きの答えが返ってきた。 「人が集まっていないような所を探してやります。第一声以外の場所は決めていません」 ええっ! 選挙なのに人を避ける? 「新型コロナの問題がありますからね。人がいないけれど、目立ちそうなところ。変な話ですけれど、そういうシチュエーションを求めて選挙区内を走ります。応援も呼ばないので、一人でポツンとやる様子をインターネットで動画配信する予定です」 つまり、告示日にふかざわ候補を確実に取材する機会は第一声の一択だ。そこを逃せば、候補者を探して広い選挙区内をやみくもに走り回ることになる。しかも、見つけられるという確証はどこにもない。 新型コロナウイルスは、確実に「選挙のやり方」や取材方法に変化をもたらしている。

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