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星組・礼真琴が英雄に!宝塚歌劇『阿弖流為 -ATERUI-』の魅力とは

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HOMINIS(ホミニス)

阿弖流為(アテルイ)とは近年は日本史の教科書にも登場するようになった東北地方の英雄だ。 【写真を見る】『阿弖流為 -ATERUI-』で坂上田村麻呂を演じた瀬央ゆりあ 時は8世紀、東北地方に支配を広げたい大和朝廷は蝦夷と呼ばれる部族の征伐に乗り出す。胆沢の蝦夷の長の息子、阿弖流為は、蝦夷を率いる若きリーダーとして朝廷軍と対峙することとなる。   「阿弖流為」と聞いて、劇団☆新感線の作品を思い出す人もいるだろう(歌舞伎座でも上演されている)。だが、宝塚版はこれとは別で、高橋克彦の小説『火怨 北の燿星アテルイ』を舞台化したものだ。 脚本・演出は日本物を得意とする大野拓史が担当している。古代を舞台にした舞台を現代的な演出でダイナミックに見せていく手法が新鮮だ。プロジェクションマッピングを大胆に活用した背景が、東北の大自然を感じさせる。 主人公の阿弖流為を演じるのが、このたび星組の新トップスターとなった礼真琴だ。8月~9月の東京宝塚劇場『眩耀の谷 ~舞い降りた新星~』『Ray -星の光線-』でお披露目公演が行われたばかりである。 2010年、フレンチミュージカル『ロミオとジュリエット』の日本初演で「愛」の役に抜擢されたときの印象は鮮烈だった。以来、着実にスター街道を登り詰めてきた実力派。伸びやかな歌声、そして現代的なセンス溢れるダンスが観客を魅了する。武勇に優れ、屈託のない人柄で人望も厚い阿弖流為はそんな礼真琴にぴったりの役柄だ。 阿弖流為の好敵手となるのが、朝廷軍を率いる知将・坂上田村麻呂である。腐敗し切った朝廷において唯一と言っていい清廉潔白な武将だ。ゆえに、阿弖流為の一番の理解者でもあり、かつ最強のライバルでもある。 この坂上田村麻呂を演じるのが、礼とは同期生の瀬央ゆりあだ。宝塚において同期の絆は特別なものだ。多感な音楽学校時代に苦楽を共にし、友としてライバルとして切磋琢磨する間柄が、阿弖流為と坂上田村麻呂との関係性にオーバーラップして見える、絶妙なキャスティングである。 黒石の蝦夷の長の跡継ぎであり、阿弖流為が信頼を寄せる盟友となる母礼(もれ)には綾凰華。最初は蝦夷を裏切ろうとするが、阿弖流為に心服して忠実な部下となる飛良手(ひらて)には天華えま。同じく同期の2人が、重要な役どころでそれぞれの持ち味を発揮しながら作品を支える。 母礼の妹であり、のちに阿弖流為の妻となる佳奈。弓矢も使いこなすヒロインを、雪組から星組へと組み替えしてきた有沙瞳が演じた。戦で死にゆく男たちとは対照的に、しっかりと地に足をつけて命を繋いでいく女性のたくましさを感じさせる役どころだ。 血気盛んな蝦夷の若者たち、日和見主義な朝廷の貴族たち。さまざまな思惑を抱く人々が阿弖流為と田村麻呂を取り巻く。中でも、朝廷に面従腹背しながら、命を賭けて蝦夷を守り抜く鮮麻呂(あざまろ)を演じた壱城あずさの芝居が特に印象に残る。 宝塚には古代から近現代まで、日本の歴史におけるさまざまな時代を舞台にした作品があるが、この時代の作品は珍しい。見れば日本史の勉強にもなって一挙両得。学生の皆さんは次の試験で役に立つかも知れない!? 文=中本千晶

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