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三重県は罰則検討 同性愛者のことを勝手に暴露する罪と罰

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日刊ゲンダイDIGITAL

【「表と裏」の法律知識】#42 「アウティング」という言葉をご存じでしょうか。聞き慣れない方も多いと思いますし、このご時世の中では「外出自粛のこと?」と思われた方もおられるかもしれません。 「アウティング」とは、LGBT(女性同性愛者、男性同性愛者、両性愛者、性転換者の各英単語の頭文字を組み合わせた表現)など性的少数者の性的指向や性自認を、本人の了解なく第三者に暴露することを意味します。  自分で性的指向などを表明することを「カミングアウト」などといいますが、これを第三者が勝手にやってしまうことが「アウティング」です。  三重県は、今月3日に都道府県では初となる「アウティング」を禁止する条例を制定し、今後罰則の制定についても協議検討していくとのことです。 「アウティング」の規制に関しては、東京都の国立市が2017年に「アウティング」を禁止する条例を制定しています。国立市が規制の先駆けとなったのは、同市内にある一橋大学の法科大学院生がSNSのグループで性的少数者であることを暴露(アウティング)され自殺したとされる事件がきっかけでした。  国立市の条例には罰則がありませんので、罰則の制定も予定している三重県の条例は一歩踏み込んだ規制ということになります。  女子プロレスラーの木村花さんが亡くなられたことに伴い、インターネット上での苛烈な誹謗中傷が社会問題化したことをキッカケに、インターネット上での名誉毀損・侮辱・脅迫そしてプライバシー侵害などを行った者を特定し、処罰や賠償を求める方が増えています。僕のところにも問い合わせが相次いでいます。  性的少数者であるというプライバシー情報の「アウティング」は現時点では刑罰の対象ではありませんが、今回の三重県の条例を機に、プライバシー侵害に対する罰則強化の流れにもなっていくかもしれません。 (髙橋裕樹/弁護士)

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