【日本ハム】戦力外の柿木蓮が現役引退を決断 大阪桐蔭で甲子園春夏連覇「最強世代」エース
日本ハムから戦力外通告を受けた柿木蓮投手(24)が現役引退することが28日、分かった。大阪桐蔭ではエースとして甲子園で春夏連覇を成し遂げ、横川凱(巨人)、根尾昂(中日)、藤原恭大(ロッテ)らとともに「最強世代」と呼ばれた右腕。NPBからのオファーがなく、熟考の末に第二の人生へ進むことを決めた。 【写真】大阪桐蔭時代の雄姿…甲子園春夏連覇「最強世代」エース 柿木が野球人生に幕を下ろす。「今も野球は大好きだけど、僕は6年間も2軍にいた。現在地は、自分が一番わかる」。12球団合同トライアウトでは打者2人を完璧に封じてアピールしたが、NPB球団からオファーは届かず。かつての甲子園V右腕が決断した。 18年夏、吉田輝星(オリックス)率いる金足農を破って大阪桐蔭で春夏連覇。最強世代のエースとしてプロの世界へ飛び込むも、1軍登板は4試合に終わった。2年目には精神的要因で制球できなくなる「イップス」も発症。23年に育成契約となり、今年、2度目の戦力外通告を受けた。コーチ兼任含め独立、社会人、台湾球団など約10チームから声がかかったが「2年間、プロの素晴らしい環境を使って支配下に復帰できなかった。他で1年やって『プロに戻りたい』では、自分の育成2年間を否定することになる」。努力してきたからこその、答えだった。 気にしないようにしても、横川や根尾、藤原のニュースが目に飛び込む。「歯がゆさばかりで。『大阪桐蔭の柿木』を、日本ハムの柿木にずっとしたかった。そこを覆せないのがすごく悔しかった」。野球界に残って、という声もあったが、貫く美学があった。「働く場所がないから野球を続ける、では絶対いけない。中途半端な、つなぎの野球は、一緒にやる人に失礼になる」 重圧と戦い続けたプロ生活。「蓮の人生だから」。佐賀の実家で両親に温かく迎えられた時、やっと、肩の荷が降りた。今後は未定だが「後悔なく、やるからにはその道を極めたい」。24歳。第二の旅へ出発する。 ◆柿木 蓮(かきぎ・れん)2000年6月25日、佐賀県生まれ。24歳。大阪桐蔭では4度甲子園に出場し、3年時は背番号1で春夏連覇を達成。18年ドラフト5位で日本ハム入団。22年に1軍で4登板し、同年オフに育成選手に。今季終了後、戦力外通告を受けた。通算成績は4試合0勝0敗、防御率2・08。181センチ、87キロ。右投右打。独身。
報知新聞社