“しゃべる”イルカが話題 人間と会話できる日は来る?
イルカと話せる未来は来る?
今回、イルカが人の言葉を真似たことを証明した東海大学の村山司教授は、イルカの言葉の訓練を長く続けています。著書『海に還った哺乳類 イルカのふしぎ』には、「バケツ」なら低くて短い「ヴォッ!」という音を、「長グツ」にはやや高い「ホーゥ」という音を対応させるなど、モノに応じた「鳴き分け」をさせることに成功したことが描かれています。 しかし、鳴き分けができてもそれらの「呼び名」を覚えたことにはならないので、今度は逆に音に対応してモノを選ぶ「聞き分け」の実験も実施。ナックは音に応じてモノを選ぶことができ、呼び名を理解していることがわかったそうです。 その後、モノと対応する記号を選んだり、その逆に記号からモノを選んだりするなどの試みも行われました。結果、記号、モノ、音との双方向の関係を理解できることが確認されています。 さらに、言語の習得に欠かせない模倣能力の実験も。最初は鳴き分けで録音した音を元に同じようで鳴くことを行い、それができるようになると今度はヒトの声で実施。声帯がないのでヒトとまったく同じ発音ではないものの、ヒトが発した声とリズムや抑揚が同じパターンであることがわかりました。 これらのことから、イルカの認知能力の高さがうかがえます。しかし、会話の実現には名詞以外の品詞を増やす必要があり、単語を組み合わせた文の理解も欠かせません。それらの課題をどうクリアしていくか。今後の研究に期待が高まります。 (南澤悠佳/ノオト)