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自立した個人が自由に働く――先駆者が語るアフターコロナのコミュニケーション術

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文春オンライン

会議で発言しない人も、チャットなら意見を言えることも

 これも悪くはないのですが人力に頼ったやり方ですし、もし僕が会議でファシリテーターの役割を担わなくなれば、この会議のやり方は再現できません。そして、ファシリテーターをしているときは、場のファシリテーションをすることで目一杯なので、自分自身が意見を出してディスカッションに参加することが難しくなります。  そこで、編集会議にチャットツールを取り入れました。チャットを常時立ち上げておき、会議中に自由に書き込んでもらうようにしています。このやり方を取り入れてみると、人前や会議で発言するのが苦手な人でも、積極的にチャットに書き込みをしてもらえるようになりました。その人はどちらかというと寡黙で、会議中も積極的に発言をするタイプではありませんでしたが、チャットにはどんどん書き込みをしてくれるのです。「あまり意見に自信がないから言いづらいな」というような細かなアイデアも、チャットなら気軽に書き込めるからです。

可視化された意見を見ながら議論が深められる

 編集会議にチャットを取り入れたことは、ほかにもいい効果をもたらしました。そのひとつが、ファシリテーション役の分散です。編集会議のファシリテーター役を、編集長の僕ではなくアジェンダを作ってくれた企画起案者が自発的にしてくれるようになったのです。  例えば、編集会議で企画の検討を進める場合、まずは起案者が「この企画のこういうポイントで困っています、みんなでアイデアを出し合いたいです」と伝えます。次に、アジェンダとして記載された企画の詳細を5分ほど読み、各メンバーが気づいたことをチャットに書き込みます。  知りたいポイントがチャットに書き込まれたあと、起案者はチャットを確認し、出てきた意見を寄せてくれた人に話を振り、詳細を聞く流れに自然となっていくのです。  ほかに、チャットを使うと論点が言語化され、それをみんなで認識しながら会議を進めていけるのもメリットのひとつです。特に会議が白熱すると、議題の論点を忘れて自分の言いたいことを言いがちになったり、声の大きい人が発言し続けることに陥りがちになります。そういった場合、よくある解決法は、ファシリテーターがホワイトボードを使って論点を整理して議論を深めていくやり方ですが、チャットにはすでに可視化された意見があるので、コメントを見ながら的を射た議論ができます。

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