校長「変わるべきなのは我々のほう」 男子校入学を希望する“ある生徒”をめぐる議論を描いた漫画に反響
「ありのままの自分を受け入れてもらう」のは、ときにさまざまな事情で容易ではないことがあります。そんなときに理解を示してくれる存在の素晴らしさを描いた漫画「男子生徒。」が反響を呼んでいます。作者は漫画家でイラストレーターの羊の目。さんです。 【画像】漫画を全部読む ある生徒の入学をめぐって意見が分かれた男子校の校長と教頭。校長は入試の点数も面接も問題ないという理由で受け入れを支持していますが……。 実は入学を希望している生徒は生物学上、戸籍上は女性。しかし自分のことを「男」だとハッキリ言い、この学校に入学したいという強い希望を持っていました。教頭は、見た目も戸籍上も女性のため、男子校に受け入れるべきではないと主張します。 「君の見た目、姿かたちが女性になり、戸籍にも『女』と書かれていたら君は女性か?」と教頭に問いかける校長。自分は男だと答える教頭に、校長は性別を決めるのは「本人の心ただそれだけ」だと断言します。 それでも心配だという教頭の気持ちも理解しつつも、「変わるべきなのは我々のほう」だと校長。ありのままを認めてもらえないという悲しみを背負わなければならない人間は一人もいないのだと、生徒の入学を当たり前に受け入れる意思を、もう一度教頭に伝えるのでした。 性・性自認というとても繊細なテーマについて描いたこの作品。校長先生のような理解のある人の存在の素晴らしさとともに、場合によっては校則や施設の見直し、他の先生や生徒、保護者などの理解や意識の改革なども必要になるだろうと考えさせられました。それぞれが「本当の自分」でいられる世の中にしていきたいですね。 読者からは「校長先生カッコいい。こんな大人になりたかった」「学校って前例がないと動いてくれないですよね。その前例にも最初はあった訳で、こういう校長先生や先生がいたら、生徒は安心するんだなって思う」「受け入れた上で、しっかりサポートすることがより大切になりそう」といったコメントや、男性として生まれて性自認が女性だった場合も読みたいという要望などが寄せられています。 羊の目。さんは、かわいくて切ない6つのエピソードをまとめた『スキありオムライス』や笑って泣ける青春4コマ漫画『1%ORANGE sideA』『1%ORANGE sideB』などを手掛けています。 作品提供:羊の目。さん
ねとらぼ