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「私は在日3世」。彼女は手を震わせながら、渋谷で聴衆の前に立った。

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BuzzFeed Japan

在日コリアン3世の女性が投げかけたこと

この思いに共感した人たちが渋谷に集まった。 時間は約1時間。元山さんら呼びかけ人が、聴衆の前で話したいと名乗り出る参加者にマイクを渡し、話してもらう形をとった。 何人かの参加者が話し終わると、横浜市の在日コリアン3世だと名乗る女性(37)がマイクを握り、話し始めた。 「私は在日3世で、こうやって顔を出すのはできればやめたい。でも、そうは言っていられない。私は日本生まれ、日本育ちで、日本の学校に行ったので韓国語はしゃべれません。『なので韓国に帰れ』と言われても、帰れません」 「『国から出て行け』とか『帰れ』とか言われても、私は一ミリも傷つきません。嫌がらせをしようと思って言ってくるんだと思うんですが、言われ慣れているので」 マイクを必死で握る両手は、小刻みに震えていた。勇気を振り絞って話をしているのがわかった。 「私たちはいま、生きるか死ぬかの瀬戸際にいると思っています。今の時代は、個人情報を簡単に渡せるので、突然いろんな人がやってきて、連れ出されて殺されるってことも想像しています」 「それは私だけじゃなくて、在日の人みんなが少しは考えていることです」 「そんな時代に、マスコミの人たち、日本人の人にお願いがあります。私は殺されても構いません。でも、私より若い世代、未成年、これから生まれてくる子どもがこの国で安全に生きていけるようにしてください」

日本人の人みんなに言いたいこと

「日本人の人みんなに言いたいこと」。そう切り出すと、彼女は次のように願った。 「お友だちとか家族とかで『韓国って危ないよね』『謝罪、謝罪言い過ぎだよね』と言われた時に、『そうだよね』と流すことがあると思うんです」 「私も今まで、『中国人って声が大きいよね』と言われた時、『まあまあ』と適当に流した時がありました。でも、そういうのをやめませんか」 「『韓国人ってなんとかだよね』と言われた時、あなたがそう思わないんだったら『私はそう思わない』って言ってください。それで友だちと喧嘩になっても、別によくないですか」 「社会が崩壊しようとしている時に、そんな友だちいりますか?私たちの社会は急には変わらないけれど、ちゃんとそうやって一人一人が言うことで、半径5メートルは変えていくことはできる。いきなり人が変わったり、マスコミが明日から嫌韓報道をやめたりしません」 「でも、私たち一人一人にできることは小さなことだけなので、やってください。よろしくお願いします」 このスピーチが終わったあと、元山さんはマイクを握ると、「言葉に詰まります」と述べると、続けた。 「なんで今スピーチをした方がここまで言わないといけないのか。私たちは今までいったい何をしてきたのか。そういう思いに駆られます。どうしたらいいんだろうという思いでいっぱいです」 「殺されてもいいと言うような発言もありましたけれど、そんなのダメですよ。彼女の言葉を重く受け止めて、少しずつかもしれないけれど続けていければと思います」 イベント後、彼女は「在日の人が他に話していたら、私は話さないつもりでした」とBuzzFeed Newsに振り返った。 どこの国にルーツを持つか、自分で変えることはできない。その上で、どう日本で生きていきたいと思うのか。そう尋ねると、こう返ってきた。 「私たちは、日本人のみんなと同じように日本にいるだけです。移住はしたいけれど、そんな簡単にはできない。だから、普通に生きていきたいだけです」 「そのために、今は私ができることをするだけです」 元山さんら呼びかけ人によると、今回のアクションには約300人が集まったという。 告知したのが9月3日だっただけに、元山さんは「日本社会に漂っている韓国を蔑むような、雰囲気や差別を煽るムードに対して違和感を持ってる人たちが、急な呼びかけにも関わらず多く集まって驚いています」と手応えを話した。 7日の同日午後6時からは大阪でもアクションが開かれる予定で、今後も同様のアクションを呼びかけたいという。

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