龍神村の豆腐職人が東京・人形町に豆腐料理店を開店/和歌山県田辺市
和歌山県南部の田辺市龍神村(りゅうじんむら)で、薪で焚いた火で昔ながらの豆腐づくりを続けてきた職人の男性が、江戸情緒の残る東京都中央区の人形町に、このほど、豆腐料理の専門店を開店し、人気となっています。 この店は「豆腐屋料理店 四方八方(よもやも)」で、田辺市龍神村小又川で「龍神地釜とうふ工房 るあん」を運営してきた豆腐職人の小澤聖さん(52)が、2024年11月、老舗の料理店が建ち並ぶ、人形町の甘酒横丁に開店しました。 千葉県出身の小澤さんは、明治大学を卒業後、海外の新興国支援に取り組んで帰国したおよそ20年前、次は林業をするため龍神村に移住しましたが、地元の人から振る舞われた、薪で火を焚いて作った昔ながらの豆腐の味に魅了されて、豆腐職人への転向を決意しました。 その後、地元の古老に作り方を学びながら試行錯誤を重ね、地釜とうふづくりを確立したほか、とうふを使ったコース料理も振る舞うなど、地元や村外からも人気の店に成長させました。 その後、小澤さんは豆腐が中国や韓国から日本へ伝わった変遷や、”湯浅しょうゆ”など紀州の調味料との相性の良さにも興味を広げ、豆腐料理でアジアの食文化交流を発信しようと開店させました。 老舗の焼き鳥店を改装した和モダンな雰囲気の店内には、豆腐やゆばを作る工房も併設され、それらを使った“スンドゥブ”や“麻婆豆腐”“出来たて湯葉丼”など、ランチでも酒の肴としても楽しめる豆腐料理を提供しているほか、和歌山の地酒や、みかんジュースなども揃えています。 小澤さんは「豆腐はアジアの食文化交流の象徴となる食べ物のひとつです。もちろんそれらは紀州・和歌山とも深くつながっています。東京から全国・海外の人に、アジアや和歌山の食の魅力を広げていきたい」と抱負を語りました。 「豆腐屋料理店 四方八方」は、東京メトロ日比谷線と都営地下鉄浅草線の人形町駅が最寄りです。