「ブルペンでは指導しない」元プロ日体大コーチの投球練習に対する考え方
2月も中旬を迎え、高校野球界でも対外試合解禁に向け、実践的な練習が増えてきている時期だろう。 【動画】遠投が必要ない投手はいるのか?30mの距離で変化球を投げろ!【日体大投手育成メソッドvol.3】 今回はそんなオフシーズンに是非行いたいトレーニングや基本練習を、アマチュア球界で定評のある指導者に伺っていった。中学、高校球児に皆さんには是非参考にして欲しい。 第3回目となる今回も日本体育大学の辻孟彦投手コーチにお話を伺っていく。プロ野球選手時代の経験、大学院体育科学研究科での知識を活かして、松本 航(西武)、東妻 勇輔(ロッテ)、吉田 大喜(ヤクルト)、森博人(中日2位)といった投手をプロに輩出した辻コーチ。今回は「キャッチボール」をテーマにお話をいただき、またブルペンでの考え方についても語っていただいた。
投手にとって一番の練習はキャッチボール
辻コーチは、投手にとって一番の練習はキャッチボールだと断言する。 フォームの修正、改善においては、すべてキャッチボールの中で試行錯誤してくのがベストだと考え、反対にブルペンではフォームの課題は意識しないことを選手たちには伝えている。 「改善したい課題に対しては、すべてキャッチボールで意識するように選手には伝えています。実際にキャッチボールを撮影することもあり、キャッチボールが一番の練習です。 反対にブルペンは今できることをやるだけなので、練習では無く本番と思ってもらうようにしています。なので、僕もブルペンではフォームを指導しないようにしています。今できる全力を出し切るイメージです」 また変化球においても、ブルペンだけで無くキャッチボールの中で曲がりやキレを確かることが大事だという。変化球はブルペンの中だけでしか投げない高校生も少なくなくかもしれないが、辻コーチは20、30メートルの距離で強く腕を振るな中で変化球を練習することを選手たちには薦めている。 「18.44m の距離だけでやってしまうと、曲がりや切れを意識し過ぎて腕の振りが緩んでしまう投手が多くいます。ブルペンの距離ならそれでも届きますが、20、30メートルの距離で変化球を投げると腕をしっかり振らないと届かないんです。 ブルペンを本番とするなら、キャッチボールは練習です。練習では投げずに、いきなり本番で変化球を投げている選手は以外と多いと思います。まず基本は腕の振りで、その後にストライクかどうかが大事です。その順番は間違えないようにしてほしいですね」