綾野剛、北川景子の演技に感じた“不意のかわいさ”「鍛錬がないと生まれない」
俳優の綾野剛(38)が主演し、女優の北川景子(34)と刑事役でバディを組む映画『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』が11月13日に公開を迎える。『パンク侍、斬られて候』(2018年)以来の共演となった2人が、本作でどのようなバディを作り上げていったのか。深川栄洋監督から“役者バカ”とたたえられた2人が、お互いに感じる役者としてのすごみについて聞いた。 【場面写真】北川景子が綾野剛の胸ぐらをつかむ緊迫あるシーン 原作は中山七里氏のクライム・サスペンス小説。物語は、終末期の患者ばかりを襲う連続不審死事件が発生し、犬養隼人(綾野)と高千穂明日香(北川)が捜査に乗り出す。すると、依頼を受けて患者を安楽死させるドクター・デスと呼ばれる医師にたどり着く。ドクター・デスの目的と正体を追う、2人の刑事の挑戦が描かれる。 ■監督が評した“役者バカ” お互いに感じるすごみとは? 深川監督は「2人は全く違う考え方を持った役者ですが、2人とも強烈な役者バカだと思います」と独特の表現で綾野と北川への信頼を寄せている。“役者バカ”と評されたことに関して、綾野は「お互いさまです」と笑う。 北川は「私は剛くんほどではないです」といい「(綾野を)見ていて、役のことしか考えていないと思います。プロモーションのときは綾野剛さんだけど、現場にいるときは、犬養さんっぽくもあったし、『パンク侍』のときも雰囲気が違いました」と役に入っているときのスイッチのすごさを感じるという。 続けて「よく覚えているのですが『パンク侍』の舞台あいさつ前に、そのとき撮影していた作品の台本を読んでいたんです(笑)。舞台あいさつの直前まで読んでいて、しかも違う作品の台本を読む方は初めて見ました」と綾野のストイックさに驚くこともあった。 対する綾野は「景子ちゃんほど前線に出続けている人はなかなかいない。ドラマで主役を続けるのは普通じゃないですよね。僕が知らない世界を知っていたり、世間様との対話を諦めないところに魅力を感じます。クールに見えるけど、かわいらしいところが沢山あり、チャーミング」と話す。 本作には、焼き鳥を食べる犬養と髪をかきあげほろ酔いの高千穂が、本音や愚痴を居酒屋で語る場面が登場する。そのシーンで、綾野は北川の“チャーミングさ”を感じ取ったという。 「北川さんは普段ほとんどお酒を飲まないですし、台本には絡み酒をすると書いてないんです。それでも、ほろ酔いの状態で犬養に絡んできたのは、いろんな偶然が重なった瞬間でもありました。でも、その偶然はなんとなく積み上げてきた人には絶対起きないもの。何もしないで何も考えていない人の偶然は、偶然とは言わない。あのときの偶然は、北川さんが培ってきたものが呼びよせているもので、僕はとても好きなシーンです。あのチャーミングな部分は、鍛錬がないと生まれない」と北川がこれまで経験したことを無駄にせず、たゆまぬ努力を続けているからこそ出たシーンだったと振り返る。