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紀州産梅が歴史的凶作 梅干し業界は試練の一年に

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日本食糧新聞

今年、紀州産梅が歴史的な凶作となり、原料不足がさらに深刻化。梅干し業界は来年の端境期まで試練の一年を迎えることになる。今シーズンは暖冬で貯蔵養分が少ないまま開花を迎え、さらに開花期に低温が続いたことでミツバチの活動が停滞するなど受粉環境が悪く、着果率にも大きな影響を与えた。 それでも当初は平年比2~3割減にとどまったが、その後、梅雨入り前までの雨量が少なく、早い段階で成熟・生理落下が進み、梅雨入り時点での玉数は例年の半分程度まで減少。梅雨入り後の雨量により実肥りが進んだが、それでも重量ベースで平年比6割程度との見通しだ。「三十数年ぶりの大凶作」(業界関係者)ともいわれ、サイズも3L中心の大玉傾向で量販店向けに使いにくいサイズ構成となった。 成熟が早まった分、収穫も例年より10日ほど早く始まり、梅雨入り前にほぼ収穫を終えた青果向けは、数量不足により価格が暴騰。梅干し原料価格へどれほどの影響を与えるかが懸念されている。 紀州梅業界は2018年の記録的な販売量増加で原料在庫にかげりが見え始め、期待された2019年産も平年比9割作程度で原料状況が悪化。需要の高い低級品を中心に原料価格が高騰し、メーカー各社では昨秋から今春にかけて値上げを実施した。 C級や規格外などのすそもの原料在庫は依然として逼迫(ひっぱく)している状況。今年の凶作でさらなる原料不足、価格高騰が見込まれるが、再値上げに踏み切るかどうかは未定。 今年は中国産梅が平年並みかやや少なめの予測ということもあり、この1年は中国梅の拡販に努め、紀州産は販売調整をかけながら次の端境期まで凌ぎきるしかない。最盛期である夏場の需要はその年の気温により左右されるが、紀州産の拡販はすでに困難な状況にある。 ※日本食糧新聞の2020年8月8日号の「漬物特集」から一部抜粋しました。

日本食糧新聞社

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