【NFL】ブレイディはなぜGOATなのか 証明した前半最後の28秒
NFCチャンピオンシップ(2021年1月24日、グリーンベイ・ランボーフィールド) タンパベイ・バッカニアーズ○31-26●グリーンベイ・パッカーズ
今季、ニューイングランド・ペイトリオッツからバッカニアーズに移籍したQB、トム・ブレイディが、なぜGOAT=Greatest of All Time(史上最高)と呼ばれるのか。それを証明する試合となった。 【写真】NFC & AFCチャンピオンシップ 激闘のシーン 40枚
ブレイディの先制タッチダウン(TD)パス、RBレナード・フォーネットのTDランで、バッカニアーズが14-10としてリードした、第2クオーターの最終盤。 残り28秒からドラマは始まった。 パッカーズのQBアーロン・ロジャースのパスをインターセプトしたバッカニアーズ。ボールポゼッションはバッカニアーズ陣49ヤードとほぼ中央付近だ。 タイムアウトも残っていたので、うまく攻めてフィールドゴール(FG)で前半を終わることができれば、という局面だった。 ファーストダウン、RBフォーネットにパスが決まり、フォーネットが外に出たので時計が止まった。 セカンドダウン、サードダウンはパス失敗。サードダウンのパスは、プレッシャーを受けてブレイディのコントロールが狂い、もう少しでインターセプトされるところだった。 前半終了まで、13秒、ボールオンはパッカーズ陣45ヤードでフォースダウン4ヤード。 一度はパントと見せかけてサイドラインに帰ったブレイディが直ぐにフィールドに戻った。 しかし、これはハードカウントでオフサイドを誘発する狙いかと思われた。警戒したパッカーズはタイムアウトを取った。 プレー再開、ハードカウントではなく、ブレイディは、フォーネットに6ヤードのショートパス決めてダウンを更新、残っていた1回のタイムアウトを使って時計を止めた。 ボールオンは39ヤード、前半終了まで8秒。FGを蹴るには少し遠い。タイムアウトもない。サイドライン際にパスを決めて直ぐ外に出て時間を止め、FGを狙うのが定石と思われた。 GOATの考えは違っていた。「TDで前半を終わる」ことしか考えていなかった。 ショットガンからロングパス。左のバンチ隊型からディープゾーンへ真っすぐ走った小柄なWRスコッティ・ミラーの腕にストライクでパスは決まった。マンツーマンカバーのパッカーズCBケビン・キングは完全に振り切られていた。 39ヤードの完璧なTDパス。前半残り1秒だった。エクストラポイントも決まり21-10となった。