一筆一筆に思い込め…かつて“みづゑ”と呼ばれた水彩画の魅力を知る展覧会 【高知・香美市】
高知さんさんテレビ
「絵に興味がない」という方もきっと一度は描いたことがある水彩画。かつて“みずゑ”と呼ばれていた水彩画の奥深さを垣間見ることができる展覧会が開かれています。 香美市立美術館で開かれている展覧会「みづゑの魅力」。高知県内の美術館や個人から集めた84点の水彩画が展示されています。 水彩画に使われる絵の具は大きく分けて2種類。にじみやぼかしで透明感を出しながら描く「透明水彩絵の具」と、塗り重ねて重厚な風合いを出す「不透明水彩絵の具」です。 そのため一口に水彩画といっても絵によって様々な表情を見せてくれます。 正木 麻由リポート 「こちらは100年以上前の高知を描いた水彩画です。当時のあたたかい空気が伝わってきます」 浜田 勝一郎さんは元は呉服店で現在は菓子を販売している「浜幸」の三代目でした。大正時代高知城が田畑に囲まれていた当時の様子や、のどかな仁淀川の風景を描いています。 東京で水彩画を学び、亡くなる39歳まで県内各地に足を運び、様々な風景を切り取っていました。 戦時中に勝一郎さんの息子が高知市から香美市大栃まで作品を持って疎開したため100年経った今でもきれいな状態で作品が残っています。 一方、桃色で彩られた春の山を描いたこちらの作品。四万十町在住の西村 洋一さんが描きました。 香美市立美術館・都築 房子館長 「西村さんは若いときに交通事故で脊髄を損傷した障害がある方。普通に筆を持っては描けないそのため、こうして両方の手の間に筆を挟むような形で点描の形式で絵を描いている」 現場に行くことが出来ないため写真を見て絵を描くという西村さん。それでも一筆一筆に思いが込められた作品からは臨場感が伝わってきます。 香美市立美術館・都築館長 「誰もが小学生のときに経験したことのある画材。特別な画材ではなく非常に近な水彩絵の具を使って、いろいろな表現ができることを知ってほしい」 この展示会は香美市立美術館で来月21日まで開かれています。
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