【神戸新聞杯・先手必勝】無念のダービー取り消しを乗り越えて あるぞ!メイショウタバルが圧巻の毎日杯を再現へ
[GⅡ神戸新聞杯=2024年9月22日(日曜)3歳、中京競馬場・芝2200メートル、菊花賞トライアル] 今週日曜の中京メインは菊花賞トライアルのGⅡ第72回神戸新聞杯(芝2200メートル)。ダービー馬ダノンデサイルは菊花賞へ直行、皐月賞を制してダービー2着のジャスティンミラノは天皇賞・秋で古馬頂上決戦、ダービー3着のシンエンペラーは海外遠征とあって牡馬クラシック最終戦は混戦ムードが漂っている。当欄の注目は毎日杯を圧巻のパフォーマンスで勝利したメイショウタバルだ。 父ゴールドシップがそうだったように肝心なところでアクシデントに見舞われてしまうお騒がせ馬がメイショウタバル。事の始まりは今年の若駒Sだ。馬房で爪をぶつけて馬場入場後に右前肢跛行で競走から除外。仕切り直しのつばき賞を快勝して改めて能力は示したが、皐月賞トライアルのスプリングSの1週前にフレグモーネを発症して同レースを回避。思いのほか回復が早かったので翌週の毎日杯を使うと、重馬場の阪神芝外1800メートルで1分46秒0の快時計をマーク。6馬身差の圧勝を飾って一躍クラシック候補へと名乗りを上げた。 毎日杯から中2週のローテーションで皐月賞へ向けては強い調教は必要なかったが、1週前追いがウッドで予定よりも5秒以上も速くなってオーバーワークに。揚げ句、レースではゲート入りを10分ほど待たされてテンションが上がり、前半1000メートル通過57秒5の暴走で早々に失速してしまった。 「皐月賞はさすがに調教をやりすぎた。レースもゲート裏でかなり待たされてそこで一気にスイッチが入ってまったく制御が利かなくなった。鞍上も無理に馬とけんかするよりはと思って逃げたけどあのペースではさすがに止まる」と石橋調教師は皐月賞の敗因を踏まえてダービーへ対策を講じたのだが…。クロス鼻革を着用して浜中が付きっ切りで調教をつけて少し我慢できるようになって手応えを感じていた中、最終追い切り後に左後肢の挫石を発症して枠番確定後に出走を取り消すことになった。まさに波乱万丈。ただ、秋を迎え、今まで取り組んできた成果が出つつあるという。 「この中間は精神面を考慮しての調整だけど、浜中も春より折り合いがつくようになっていると言っている。もともと春の段階で馬体のつくりは立派だったので夏を越してそう大きくは変わっていないけど、乗りやすさが出てきたのは成長だと思う。毎日杯のときのようにリズム良く走れれば差はないと思う」(石橋調教師) 浜中も「メンタルに余裕があるのはいい。もともとスタミナ豊富な馬でリズム良く運べるかどうかの馬。そういう調教を積み重ねてきてガンガンひっかかっていた春より我慢できているので競馬で上手に走れれば」と教えてきたことが実を結んできたのを実感している。 神戸新聞杯は父ゴールドシップが圧勝してその後に菊花賞、有馬記念も制してスターダムへとのし上がっていった重要な一戦。メイショウタバルにしては順調な調整過程でここまできているだけに何事もなくレースを迎えられれば…毎日杯のような圧巻の走りを見せてもおかしくない。
東スポ競馬編集部