新型コロナウイルス感染拡大で中止となった第９２回選抜高校野球大会の出場３２校を対象に阪神甲子園球場（兵庫県西宮市）で「２０２０年甲子園高校野球交流試合（仮称）」（日本高野連主催、毎日新聞社、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力）を開くことが１０日決まり、招待校の仙台育英からも喜びの声が上がった。【滝沢一誠、面川美栄】 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 　選手たちに笑顔が戻った。須江航監督は午後４時ごろ、選手たちを多賀城校舎（多賀城市）の練習グラウンドに集め、センバツ交流試合の経緯を説明。夏の宮城大会の代替大会が準備されていることにも触れ「後輩や仲間、地域の方々に思いを伝える、どこよりも熱い夏になることを理解して練習してほしい」と語りかけた。 　「甲子園」が戻ってきたことについて「この上ない喜び。（センバツの）救済措置は難しいと思っていたが、諦めないで提案してくれたのはうれしい」と、開催に奔走した関係者に感謝を述べた。 　田中祥都主将（３年）は「今日からまたがんばろうという気持ちになった。甲子園は勝ち負け以上に小さいころからの憧れだった」とはにかんだ。甲子園がある兵庫県出身で、スタンドで観戦や応援をしたことはあったが、グラウンドに立つのは初めて。「自分たちのプレーで一人でも多くの人に笑顔になってほしい」と意気込んだ。 　練習グラウンドには「熱夏伝承　～４０人で残す軌跡～」というスローガンがスコアボードに張り出されている。センバツ交流試合や県独自大会など、３年生４０人による「熱い夏」が再び動き出した。 　交流試合は８月１０～１２、１５～１７日の計６日間で各チーム１試合ずつ、計１６試合を開催。無観客で行い、抽選会は７月１８日にオンラインで開かれる予定。