広島県「ステージ2」へ引き上げ コロナ拡大、病床と療養ホテルの使用率26・2%
広島県は30日、県内の新型コロナウイルスの感染状況を、政府の分科会が示す4段階の基準で下から2番目の「ステージ2」へ引き上げた。新たな感染者や入院ベッド(病床)使用率の増加、福山市でのクラスター(感染者集団)発生を受け、専門家の意見を基に判断した。県民には、日常生活を続けつつ感染防止対策を徹底するよう呼び掛け、拡大地域との往来は慎重に判断するよう訴えている。 【グラフ】広島県の市町別感染確認者数(累計・月別) 県庁で県幹部による会議を開いて決めた。終了後に記者会見した湯崎英彦知事は「取り組みを強化し、感染拡大を最小限に抑えたい」と述べた。 12月1日以降の県の対策では、県民の行動制限はしない。体調不良時の早期受診や、飲食店などでの感染防止対策の徹底を図る。 他地域との往来では、都道府県が住民に対して不要不急の外出自粛を要請▽直近7日間の10万人当たりの新規陽性者が15人以上―のいずれかの場合に、慎重な判断を要請する。現時点では北海道、札幌市、茨城県の一部、東京都、愛知県、名古屋市、大阪府、沖縄県が当てはまるという。 湯崎知事は具体的な対応策として、時期の変更やインターネットの活用を提案した。仕事や就職活動、受験、葬儀、介護などでの行き来は控える必要はないとの見解を示した。 県によると、29日時点で確保している病床と療養ホテルの使用率は26・2%で、政府分科会が示すステージ3の指標の一つである25%を超えている。直近1週間の10万人当たりの新規感染者数は3・42人で、県がステージ3にならないための対策を講じる目安とする独自の警戒基準の4人に近づいている。 県の専門家会議は「県内でも再び感染者数の増加傾向が見られ、予断を許さず十分な警戒が必要」と県へ提言していた。
中国新聞社