65歳以上が32%、老朽インフラ整備に2兆円…数字で見る東京都の課題
東京都知事選も2月9日の投開票日まで1週間となりました。メディアの報道などではおもに原発問題がクローズアップされていますが、首都・東京にはほかにも解決しなければならない重要課題がたくさんあります。今回の都知事選で本来「争点」となるべき問題、都政が抱える課題にはどんなものがあるでしょうか。 【動画で比較】都知事選候補の政策ごとの考え方は?
■少子高齢化
そのひとつはまず「少子高齢化対策」です。 日本は今後、これまで国を担ってきた世代が引退して年金生活に入り、それを支える現役世代もどんどん減っていきます。なかでも、もっとも急速に高齢化が進むのが東京などの首都圏です。東京都の2013年度の合計特殊出生率は1.09と、全国平均の1.41を大きく下回り、東京オリンピックが開催される2020年からは都の人口が減少に転じるといわれています。その一方、東京都は2035年までに65歳以上の高齢者が人口の32%を占めるとも予想されています。これは高齢化率が30.7%で日本一の秋田県よりも高い数字で、高齢者1人を現役世代2人で養う計算です。東京は、人口が減っても高齢者は増え続ける「超高齢都市」に向かっていくわけです。 特に急激に高齢化するのが、東京都の西半分を占める多摩地域です。2035年には多摩南部で75歳以上の人口がおよそ2倍(2010年比)、多摩北部と西部で1.65倍前後になるといわれています。多摩地域には高度経済成長期にできた大きな団地やニュータウンが立ち並んでいますが、医療施設や介護施設などの数はまったく足りていません。東京都全体でみても、都市のバリアフリー化、高齢者用の施設づくりが十分ではないのはあきらかです。 また、少子化対策には働く女性が子どもをきちんと預けられる施設が必要ですが、東京都の待機児童は2013年4月時点で8117人。これは全国でも最多の数字で、近隣の千葉県の964人、神奈川県の858人、埼玉県の673人と比べても突出しています。少子高齢化対策は待ったなしの状況なのです。