食品ロスを染料に、タビオから「サステナブル靴下」
「靴下屋」や「Tabio(タビオ)」など靴下専門店を展開するタビオ(大阪市)は、オーガニックコットンを廃棄食材で染色した糸を使った「FOOD TEXTILE(フードテキスタイル)」シリーズの靴下を2月から順次販売している。第一弾は「赤カブ」「ブルーベリー」「ルイボス」「抹茶」の4色を展開。自然な淡い色合いが特徴で、オンラインショップのほか、Tabio 全国26店舗で購入できる。(オルタナ副編集長=吉田広子) 「FOOD TEXTILE」シリーズは現在、足袋ショートソックス、パイルショートソックス、アメリブショートソックス、ワッフルショートソックス、リブレッグウォーマーの5種展開で、色はそれぞれ4色用意されている。 「FOOD TEXTILE」シリーズで使われる糸は、専門商社の豊島が廃棄食材を再活用するプロジェクト「FOOD TEXTILE」の一環として開発された。同プロジェクトでは、豊島が15を超える食品関連企業や農園などと連携し、規格外の食材やカット野菜の切れ端などを買い取り、成分を抽出し、それを染料にして糸を染め上げている。 「赤カブ」は漬物の製造工程で余る赤カブの実、「ブルーベリー」と「ルイボス」は規格外品、「抹茶」は不揃いなものや残ったものなどが活用されている。
■環境に負荷をかけない靴下づくり
豊島はオリジナル商品を展開するほか、タビオのように国内のファッションブランドと連携し、アパレル業界から食品ロス問題に取り組む。 さらに「FOOD TEXTILE」シリーズの糸のベースには、「農場と紡績工場の特定」ができる追跡可能なオーガニックコットン「TRUECOTTON(トゥルーコットン)」を使用し、サステナブル(持続可能な)原料調達にこだわった。 佐藤穣次・タビオ統括事業本部本部長は、「日々、魅力的な靴下づくりに努めているが、SDGs(持続可能な開発目標)の採択を機に、2016年ころから、靴下でサステナビリティをどう表現できるのか検討してきた」と話す。 「FOOD TEXTILE」シリーズは、通常商品の1.2倍ほどの価格だが、「環境に負荷をかけない商品を購入したいという消費者が増えているなか、メーカーもその期待に応える必要があり、今後さらにサステナブルな素材を使用した商品展開に力を入れていく」(佐藤本部長)という。 このほか、タビオは対象店舗で、不用になった靴下やタイツ、ストッキングなどを他社製品も含めて回収し、「10%OFFチケット」を1枚プレゼントする「靴下リサイクル・キャンペーン」を展開。2019年は約1カ月で11万2372足、2020年は約2.5カ月で5万3165足を集めた。回収した靴下は繊維製品の原料や自動車内装材などに再生される。