マセラティMC20にスパイダーモデル「チェロ」登場 大胆デザイン 3385万円~
MC20にスパイダーが登場
マセラティが久々に放ったミドシップスーパースポーツのMC20にスパイダーが追加されることは、そのクーペ版が発表された2020年9月の段階で示唆されていた。 【写真】MC20にスパイダー登場【MC20とMC20チェロを比較】 (162枚) しかし、それがオープントップがメタルタイプのリトラクタブル式ハードトップになるのか、キャンバス素材を用いたソフトトップとされるのかは明らかにされておらず、これまでファンをやきもきさせてきたといえるだろう。 2022年5月25日にイタリア・モデナのマセラティ本社でおこなわれたワールドプレミアは、この論争に終止符を打つことになった。 その答えは、大方の予想どおりリトラクタブル式ハードトップ。ただしルーフ自体は金属製でなくガラス素材とされた。 それも、スイッチ1つで透明な状態から不透明な状態へと変化(もちろん、その反対も可能)できるエレクトロクロミック物質を応用したガラス素材とされたのだ。 ちなみに不透明な状態では外光のおよそ97%をカットし、透明な状態ではこれが70%程度になる模様。 したがって、透明の状態でも強い陽射しをある程度は遮ってくれそうだ。 マセラティによると、このガラスルーフは「ポリマー分散型液晶技術」を用いたもので、瞬時に濃度が変わることに特徴があるという。 ちなみに、ガラス製リトラクタブルハードトップをこのクラスで標準装備するのは、MC20が初めてだとマセラティは主張している。
「空」を名乗るMC20
ここでマセラティMC20チェロ(イタリア語で「空」の意味)のエクステリアデザインを観察してみることにしよう。 正面もしくはサイドから見たMC20チェロのスタイリングはクーペ版とほぼ変わらない。 しかし、真後ろから見ると、クーペ版との違いが明らかになる。 ドライバーとパッセンジャーの頭部にあたる部分だけがフェアリング風に高く盛り上げられており、その間は垂直に切り立ったリアウィンドウで埋められている。 同様のデザイン処理はフェラーリF8スパイダーやマクラーレン720Sスパイダーでも採用されているが、エンジンカバー兼リアウィンドウを透明な樹脂素材で構成してファストバックを形作っていたMC20のクーペ版とは、この点がスタイリング上の最大の違いといって間違いない。