【特集】「やめたくても、やめられない…」「息子が家庭内窃盗」 ギャンブル依存症当事者が語る実態と家族の苦悩・広島
日に日にふさぎ込み、うつ状態になっていく息子。 ■マユミさん(仮名) 「引きこもりみたいになられるのが怖いなと思って。いつから仕事行ける?とか、もう行けそう?とか、新しい仕事どうする?とか、こんなに休んでてどうやって借金返すつもり?とか、ちょっと追い詰めたことを言ってしまったから。あの子の病気を重くしたのは、私だなと思ってる。もっと早くきちんとした対応ができていたら、早く回復につなげられたかもしれないし。」
2年前、息子は突然家を出て、連絡が取れなくなりました。その頃、社会問題になっていたのが「闇バイト」で、広島市西区で強盗殺人未遂事件が起こります。SNSで集められた男たちが「ルフィ」などと名乗る指示役のもと、住人に大けがをさせ、金品を強奪しました。実行役の1人が法廷で語った動機は「ギャンブルでできた借金」で、「報酬として得たお金でヤミ金を返済し、競艇をしようと考えていた。負けた額が多すぎて、黒字にするまでやめられないという感覚に陥っていた。」と、話しました。男は、6つの事件にかかわったとして、無期懲役の判決を受けました。
■マユミさん(仮名) 「うちの子、「ルフィ」の仲間になってしまったのかしらとか、フィリピンで(指示役が)捕まってるのを見ると、うちの子も行ってるんじゃないかなとか。逆に、ヤミ金に追われてひどい目にあってるんじゃないかなとか、もうこの世にいないんじゃないかなとかも思ったし。」 しかし2023年8月、マユミさん(仮名)の息子は、突然帰ってきました。以来、共に暮らしています。
ギャンブル依存症の人が苦しむのが「偏見」です。厚労省の調査で「ギャンブル依存症は本人の責任」だと感じている人の割合は、7割以上に上ります。
2024年9月、マユミさん(仮名)らギャンブル依存症患者を家族に持つ人たちが、県議会を訪れました。行政への支援を求めるためです。 ■マユミさん(仮名) 「行政の窓口なんかで相談に乗っていただける方への、ギャンブル依存症の正しい知識を持っていただけるように、研修を実施などそういったところの要望が書いてありますので、ぜひご検討ください。」 ■広島県議会 中本隆志議長 「はい、わかりました。」