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あなたは宇宙で何でもできる?『アウター・ワールド』プレイヤーの選択が物語を作りだす

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エムオンプレス

『Fallout: New Vegas』、『Pillars of Eternity』などを手掛けたObsidian Entertainmentの新規IP作品『アウター・ワールド』は、2019年10月にXbox ONE、PlayStation(R)4、PC版が発売されました。ディストピアとなってしまった宇宙コロニーを自由に渡り歩くアクションRPGという本作の特徴は、同社のカラーが色濃く出ていると言えるでしょう。発売まえにはインターネットで「実質『Fallout』シリーズの後継作品なのではないか」ともよく言われ、多くのプレイヤーがそのようなプレイフィールを想像していたはずです。しかし実際に遊んでみるとその予想は半分当たっていて、もう半分は違っていました。本稿では良い意味で「思っていたのと違う」本作、2020年6月5日リリースのNintendo Switch(TM)版の特徴と面白さを探っていきます。手軽に手元で遊べるというハードの携帯性はどう活きるかにも注目。まずはトレーラームービーを見て、レトロフューチャーとワイルドな雰囲気を味わってみてください。 【動画】『アウター・ワールド』トレーラームービー 文 / 内藤ハサミ ◆荒廃した宇宙コロニーでどう生きていくか 銀河の遥か彼方、地球から最も離れたコロニー“ハルシオン”。そこに向かう宇宙船内には、コールドスリープされた入植者たちが乗っていました。船内で目が覚めた主人公もそのひとりでしたが、なんとコールドスリープから無事に目覚めることができたのは主人公だけ。なぜ自分はひとり生き残ったのか……。理由がわからぬまま、主人公はコロニーの破壊を目論む巨大な陰謀に巻き込まれていきます。 ムービーが終わると始まるキャラクターメイキングでは、コールドスリープの機械に眠っていた主人公のルックスや特性を決めていきます。最初にカスタムできる主人公のパラメーターで特に面白いのが、“適正”の項目。コールドスリープまえにどんな職業だったかを設定するのですが、役人、レジ係、コンベアオペレーター、食品添加物テスターなど現実的な職業ばかりがラインアップされています。電気技師だったのであれば電気ショックによるダメージがやや軽減される、レジ係だったのであれば会話の説得力が少しだけ増すなど各職業に対応した適正ボーナスが付与されます。主人公の初期スキルに反映されるのでキャラクター独自の強さがまだない序盤はありがたいですが、個人的にはボーナスのおいしさよりも主人公のリアルな背景をイメージしやすくなる点のほうが気に入っています。同時に主人公が“ごく普通の人”で、生まれながらに稀な能力を持っているわけではないのだと事前にわかることも面白いですね。 ゲームの難易度は、物語を楽しむため戦闘の難度を下げた“ストーリー”、通常難度の“ノーマル”、敵の体力とダメージがより高くなる“ハード”、最高難度“スーパーノバ”の4種類です。スーパーノバだけはゲーム開始時にしか設定できず、睡眠と食事が必須となるほか、死んだ仲間が蘇生しないことがある、手動セーブは自分の宇宙船内でしか行えないなど多くの制限が課せられ、クリアのハードルはかなり高くなります。 筆者はノーマルでプレイしています。その感触は序盤の戦闘がやや難しく感じられたものの、中盤になってスキルやいい装備品が手に入るようになると、複数の敵を相手にしても勝てるくらい余裕で戦闘を楽しめるといった具合です。本作のような一人称視点アクションRPGの戦闘を経験しているのであれば、ノーマル以上の難度がおすすめですね。スーパーノバ以外の難度はゲーム中にいつでも変更可能です。 敵を倒すと装備品、回復アイテム、弾薬など役立つアイテムを死体から奪うことができます。エリアにいくつもある敵の拠点に乗り込み、敵を倒しまくってアイテムを根こそぎ奪うことも楽しさのひとつ。具体的な戦闘の面白さとメリットについては、次回記事で触れていきます。 作品の舞台であるハルシオンは、それぞれの惑星が完全に独立したエリアとなっています。惑星間の移動は物語の冒頭で手に入る宇宙船で行い、移動時間は3秒もかからないくらいなので気軽に飛び回ることができます。惑星ひとつのエリアはあまり広いとは言えませんが、中弛みせずゲームを楽しむにはちょうどいいくらいです。 ◆会話は宇宙で生きるのに最も大切な要素だった 要所でプレイヤーが選択することでストーリー展開が変わるという自由度の高さを売りにしたRPG作品をプレイしたことがあれば、登場人物たちの会話で選択したことが物語の行く先を決める大きな要素だということは常識となっているでしょう。ですが本作における“会話”の重要度は、その認識以上に大きいのではないでしょうか。 たくさんの登場キャラクターと会話し、それに対して自分はどう振る舞うかを考えるシーンはプレイ時間の多くを占めるでしょう。例えばあるキャラクターから、「危険な場所にあるアイテムを取ってきてほしい」という依頼を受けます。依頼者の素性や思惑は実際のところわかりません。善意を伴った行動かもしれませんし、実はとんでもないことを企んでいてその片棒を担がされているかもしれません。共感できないような依頼もそれに対し、疑うことなくふたつ返事で了承する、依頼を受けるまえに根掘り葉掘り相手へ疑問をぶつける、相手を脅して腹の内を明かさせる、有無を言わさず攻撃し相手の存在自体を消し去る……というように、プレイヤーの選べる選択肢はとても豊富です。さらに選択した先の会話は更なる選択で枝分かれしていくので、同じ“相手の依頼を受ける”という選択でも詳細を聞かず喜んで受ける、詳しく話を聞いて納得して受ける、嫌々ながらしかたなく受けるなど、より「自分はどう思い、どうしたいか」の気持ちに沿ったプレイができるというわけです。 レベルアップで手に入るポイントを振り分けることで強化できる“説得”や“威圧”などのスキルが高ければ必ず成功する選択肢も存在し、相手の行動を自分の都合どおりに変えられることもあります。しかしプレイを続けていると、たくさんの違った考えを持つ人たちで世界は構成されていて、簡単に大局を変えることはできないのだと気づかされるでしょう。なんと全てのNPCは殺害することができ、気に入らない人をすべて殺すことで解決としてもメインクエストは問題なく進行します。その後の始末はとても面倒ですが……。当然ながら殺害したキャラクターが所属していた勢力に嫌われますから、話をしてくれなくなるNPCも出てきますし、最悪の場合は進行できなくなるサイドクエストもあるので、「何があっても稀代の殺人鬼として生きていきたい」という信念を持っていない限り、あまり意義は見いだせないでしょう。それまでに出会った企業やグループなどからの評判は、メニューの“評価”から見ることができます。自分の振る舞いはかなり自由に決められますが、その場合の結果は思うようにコントロールできるわけではないということです。 善悪がはっきり示されない、確固たる“正義”などは存在しないという考えかたが芯にある作品はたくさん存在しますが、それでも優等生的な選択肢の筋道は示されているのがセオリーです。しかし本作には、物語的に見て大正解の選択というものは存在しません。 誰にでもいい顔をしたい、誰からもいい印象の人でありたいという八方美人的なプレイは非常に難しいのです。プレイヤーがどういう思惑で振る舞っても、受け取られかたは相手次第となる点は非常にシビアですが、それこそが面白いところでもあります。戦闘ももちろん楽しめる大きな要素のひとつですが、特にメインミッションの進行においては数ある選択肢を選んだ結果で発生するということが多く、全ての局面で必須と言うわけではありません。プレイのしかたによっては会話で切り抜け、直接的な戦闘を避けることも可能です。キャラクターたちとの会話と、それに伴う選択の比重が大きいというのは本作の最も大きな特徴です。冒険のさなか、主人公に賛同したキャラクターがコンパニオン(仲間)になってくれることもあります。コンパニオンにできるキャラクターは個性や特技の違う6人。宇宙船に待機させ、2人まで連れて歩けます。主人公と同じように戦闘をすることによって任意のスキルを覚えさせることができたり、装備品を変えたりできるほか、NPCとの会話にもキャラクターなりの立場で積極的に関わってくるのが面白いですね。翻訳精度にはたびたび粗が見られますが、軽快なブラックジョークが飛び交う独特のセリフ回しは頭に残り、その海外作品らしい味はクセになる面白さを産んでいます。 期待していただけに残念だと思った点が、Nintendo Switch(TM)版ならではの特徴である携帯モードでのプレイ。どこでもプレイが可能になったことは非常に便利なのですが、グラフィックの解像度はTVモードに比べ見劣りします。戦闘やオブジェクトの多い街中の移動では特に気になってしまうので、どうしても携帯モードで遊びたいというわけでないのならTVモードでのプレイがいいと思います。 ストーリーに直接関わるメインクエストだけを進めるようプレイすれば、20時間くらいでクリアできるでしょうか。しかし世界や登場人物たちのことをよく知り、メインストーリーの内容判断で大きな助けになるサイドクエストをプレイしていくと、その時間は膨大なものとなるでしょう。積極的にサイドクエストを遊ぶことがこの世界を味わうことにもつながるので、個人的にはそれを遊びながらメインストーリーを多角的な視点で楽しむプレイを推奨したいですね。 コールドスリープから目覚め、大きな陰謀に巻き込まれていく主人公は、やがてコロニーを牛耳っている存在やそれに抗おうとしている存在など、立場や主張の違う勢力について知っていくこととなります。どちらに味方するのか。それとも何にも縛られないならず者として生きるのか。数々の選択をした結果により、この世界の見せる顔は変わります。主人公が物語のなかで務める役割もまた変わってくるのです。次回の記事では、戦闘やスキルなどハルシオンでの冒険を豊かなものにする要素について触れていきます。 (c) 2020 Obsidian Entertainment, Inc. Obsidian Entertainment and the Obsidian Entertainment logo are trademarks or registered trademarks of Obsidian Entertainment, Inc. The Outer Worlds and The Outer Worlds logos are trademarks or registered trademarks of Obsidian Entertainment, Inc. Private Division and the Private Division logo are trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc. All rights reserved. あなたは宇宙で何でもできる?『アウター・ワールド』プレイヤーの選択が物語を作りだすは、WHAT's IN? tokyoへ。

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