【シンガポール】クールジャパン、フィンテックに39億円出資
官民ファンドの海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)は19日、東南アジアで中小企業向けデジタル金融プラットフォーム事業を手がけるシンガポールのファンディング・アジア・グループに出資すると発表した。出資額は2,500万米ドル(約39億2,000万円)。同グループを通じて日系企業や現地の中小企業の資金繰りを支援することで、日系企業の海外展開を支援するのが狙いだ。 ファンディング・アジア・グループは2015年設立のフィンテック(ITを活用した金融サービス)企業。シンガポール、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムの5カ国で中小企業向けデジタル金融プラットフォーム「ファンディング・ソサエティーズ」を展開し、短期の融資を行っている。 東南アジアでは銀行などから融資を受けることが難しい中小企業が多い。同社はそうした企業の信用情報を多く蓄積しており、独自の与信モデルにより小口融資などを実施。市場環境や金融規制の変化に迅速に対処してグループ全体への影響を低く抑えられるように、各国でローカライズされた管理体制も備えている。 海外需要開拓支援機構は、ファンディング・アジア・グループのこうした強みに着目。日系企業が海外展開する際に、現地の取引先からの代金回収が難しいことが壁となり進出を控えるケースが多いため、同グループへの出資を通じて日系企業や取引先を金融面で支援し、代金回収のリスクを低減させたい考えだ。