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データ基盤を提供する、あのトレジャーデータが「住むためのコンテナハウス」を宮崎で開発中、その理由とは?

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 昨年のCEATECの展示で大きな話題を集めたのが、デジタルマーケティングなどに活用されるSaaS(Software as a Service)のCDP(カスタマーデータプラットフォーム)を提供するArmの子会社、トレジャーデータの展示だ。データ基盤サービスとして名高いトレジャーデータが出展したのは、データ基盤とは一見すると全く無縁なコンテナハウス「OUTPOST」だったからだ。 【この記事に関する別の画像を見る】  トレジャーデータが不動産業に転業かなど、各所をざわざわさせたこの「OUTPOST」だが、今年デジタルで開催される予定のCEATEC 2020にも出展される計画だ。  その「OUTPOST」の今年の展示や、そもそもデータ基盤サービスを提供するトレジャーデータがなぜそれに取り組むのか、などに関してトレジャーデータ株式会社 エバンジェリスト/シニアマネージャー 若原強氏にお話を伺ってきたので紹介していきたい。  若原氏によれば「既にコンテナを購入して宮崎に置いて様々やり始めている」そうで、コンテナハウスを本気で作っているとのこと。ますます「謎」は深まるばかりで、その辺りに関してもじっくりお話を伺ってきた。 【記事目次】 トレジャーデータが取り組むコンテナハウス「OUTPOST」とは 購入したコンテナに「技術」を詰め込んで、実証実験中 データ会社のトレジャーデータが「住めるコンテナ」に取り組む理由 OUTPOSTで古い物件の「OS」もリノベーションしていく、という考え方 ■トレジャーデータが取り組むコンテナハウス「OUTPOST」とは ――今回展示について教えてください [若原氏] 今回のオンライン版CEATECに出展させて頂くのは「OUTPOST」(アウトポスト)というものになります。ご覧になっていただくとお解り頂けると思いますが、コンテナハウスになります。  このOUTPOSTですが、特徴は大きく2つあります。1つが「オフグリッド」で、もう1つが「コネクテッド」です。オフグリッドという特徴は極端にへんぴな場所にこのコンテナなハウスが置かれていても、空調で最適化されていて、沢山の水でシャワーが浴びられて、お手洗いも当然水洗で利用できるなど、水とかエネルギーのインフラに接続されていなくても、接続しているかのように全く不便のない暮らしが送れるということにあります。  そしてもう1つのコネクテッドは、同じようなへんぴな場所でコンテナハウスに住む場合は、何かあったときに不安があります。そのため空間全体がある種のセンサーになっていて、この空間で発生している事を逐次モニタリングしています。例えばそのセキュリティに何か起こった時には連絡がいく仕組みになっています。また、暮らしている人たちの生活の状況に、何か異常があった時、例えば何か異常な加速度で立っている状態から横になった人がいるということがあれば、それもすぐさま検知されて連絡がいく、そういう安全安心を担保しています。  この2つの特徴をもった施設を展開するメリットとしては、今の暮らしや働き方などを問い直すきっかけになっていけばいいなと思っています。戦後の歴史を振り返ると、人の暮らしは利便性を求めて都市部に集中してきました。いろいろなインフラに近接することが、利便性や安心感を担保することになり、その結果として都市部に密集した暮らしの分布になっています。  その一方で、核家族化みたいなことも進んでいる。世帯としては(都市部に)密集していますが、繋がりが濃いかというと意外とそうでもない、ちょっといびつな分散と繋がり状況になっています。それを安全安心や快適さを得るために、「必ずしも近接しなくてもいい」というようにOUTPOSTが解放してくれるのだとすると、人の暮らしは、他の人とどれくらいつながっている必要があって、その逆に分散していてもいいということと問いただしたいのです。そういった新しい暮らしの形から、新しい価値を生み出していければ、というのが目指しているところです。 ――具体的にはどういうものなのでしょうか? [若原氏] 先ほど申し上げたようなオフグリッドとコネクテッドという大きく2つの特徴を、様々なテクノロジーを集合させることで実現しようとしています。  例えば、WOTAさんという、水の浄化技術をもっておられるベンチャー企業が参加してくれています。彼らの技術を水回りに導入することで、理屈上は最初に数十リットルの水を導入しておけば、上水としても下水としても利用可能になり、使われた水は浄化して完全な純水として半永久的に利用できる循環モデルの仕組みを作ろうとされています。下水を浄化した水を上水として使うということには心理的な抵抗などもあるとは思うのですが、その辺りもふくめてこれから実証していきたいと考えています。 ――確かに最初は抵抗がありそうですが、そうした下水が回り回って自然界で浄化されて最終的に上水になっているのですから、同じと言えば同じですよね… [若原氏] そうですね。同じように電力のオフグリッド化も検討しています。また、オリジン・ワイヤレス・ジャパンさんという会社が持っている技術は、Wi-Fiを活用して空間の変化を検知する技術です。部屋の中には今ほとんどでWi-Fiの電波が飛んでいると思いますが、何かモノがあったり人がいたりすると、Wi-Fi電波の跳ね返り具合が変わってくるので、その跳ね返り具合の差分を検知すると、人の動きを検知できるようになります。また、睡眠中に呼吸で胸が上下する動きを追っていると、レム睡眠だとかノンレム睡眠だとかまでわかるようになります。カメラでもそれをやることも可能ですが、それだとどうしても監視されている感がでてしまうので…。  そうした技術を詰めこんだプロトタイプを去年のCEATECに既に出展させて頂いています。ただ、昨年の段階で出展できたモノはまだモックアップで、こういうモノが出来たらいいなというコンセプトを出展させていただいた段階でしたが、非常に多くの反響を頂きました。特に多かったのは、データの会社なのになぜ家を出展しているのか?というご質問でした(笑)。 ――やはりみんなそう思いますよね(笑)。 [若原氏] 昨年出展して、非常に大反響と好評頂きました。いただいた反応の中で、いろいろ我々が想定していたものと想定していなかったものがあって、新しい用途も見えてきました。  例えば、昨今はコロナ禍ということもあって、地方移住とか多拠点居住みたいなことに注目が集まっていると思います。その拠点としてこういうものを作っていくみたいな話は我々も想定していて、やはり反響がありました。また、災害監視災害支援時の避難施設として迅速に設置して、普段と変わりない生活を送れるような使い方はどうかという反響もありました。さらに、地域によっては水道とか老朽化したインフラを改修したいけど費用がかかるのでなかなか難しいという状態の建築物なども結構あると思うんですが、そうした既存インフラを置き換える形で設置していくみたいな考え方もあるかもしれないという反響もありました。  そのほかにも、リゾート開発という観点で海の上にOUTPOSTを浮かべてしまって海上リゾートを作れないか、東京のど真ん中にオフグリッドという形でこうした施設置いてみるのはどうか、などもありました。例えば、災害が発生している間に、こうした空間の中だけはちゃんとした生活が保たれるみたいなことが普通にできるのではないかと。今後高級住宅の新しい定義になるのではないか、富裕層の方はそうしたところにコストをかけて安全安心を確保する、そういう使い方はあるのではないかと。 ――確かに、2011年の東日本大震災の時には高層マンションのエレベータが止まってしまい、東京中のエレベータが止まってしまったので、エレベータの管理会社も復旧する手が足りなくなって、高層階の人が困ったという話がありました。そういう時にこのモデルだったら、あとは食べ物さえあれば、復旧するまでは自宅で生きていける、そうしたことが可能になるかもしれませんね。 [若原氏] そうですね、そういうのにいいかもしれないですね。あるリゾートホテルでホテルの往来のゲスト送迎用に電気自動車を使っていて、災害時に全停電が起こって孤立したときにその電気自動車からホテルに給電してホテル電力が保たれる、そういう安心を売りにしているホテルがあると聞いています。そういう延長線上にOUTPOSTがあるということもあるのではないかと考えています。  また、グローバルに目を向けるだけでも生活インフラが必ずしも普及しているエリアばかりではないので、そういったところでも日本と同じように居住いただけるとか様々なご提案をしていただいています。こういった方向性の中から今年は具体的な事業展開を見据えてモノ作りと事業展開を始めていきたいといと考えています。 ――このプロジェクトはどのような形で進めているのでしょうか? [若原氏] 弊社だけでなく、パートナーでもある企業様とコンソーシアムを編成して取り組んでいます。コンソーシアムを去年設立して、昨年のCEATECに出展しました。これからは本当に技術を詰め込んだ状態で実装していき、居住実験を含めたプロトタイピングをしていくというフェーズに入っています。また、現在事業化に向けたパートナーにはいくつか声をかけていただいていまして、その方々と事業を検討していくというような流れになっています。 ■購入したコンテナに「技術」を詰め込んで、実証実験中 ――CEATECに出展する内容を教えてください。 [若原氏] 今年のCEATECはバーチャルイベントになりますので、VR・ARのコンテンツを考えています。これはパートナーの一社である、ジブンハウスさんに多大なご協力をいただいて作成しているものです。  VRのコンテンツに関しては非常にリアルなコンテンツをオンラインで提供していく計画で、お客様には実際にOUTPOSTの中をグルグル回って楽しんでいただくことが可能です。水色の丸を押していただけると、その構成要素の技術を詳しく説明するなどの工夫を施してあります。  ARに関してはスマートフォンを利用してミニチュアのOUTPOSTを現実世界のどこにでも置けるという形になっています。例えば旅行先でOUTPOSTを置いて頂くなどの使い方を想定しています。また、置いたOUTPOSTの中に入ることも可能になっていて、そのOUTPOSTから見える風景を楽しんで頂く、そういう使い方も可能です。 ――実際のOUTPOSTの実証実験の進捗状況について教えてください。 [若原氏] 現在実際にコンテナを購入してその中に技術を詰め込むという実証実験を行っています。買ったコンテナは宮崎に設置していて、技術を詰め込んでオフグリッド、コネクテッドがどこまでいいものなのかを検証していきたいと思っています。  現在は、何か新しいものをインストールするなど何かある度に宮崎に行くようになっていて、デザイナー田子學さんが代表を務められるエムテド(MTDO)さんと、コンセプトメイキングやデザインマネージメント全般をやっていただいています。また、プロダクト製作を多方面から支援する企業である日南さんの2社にご協力頂いています。日南さんはプロトタイプの作成などを支援する企業で、試作などを得意とされていて、例えば東京モーターショーとかに出てくるコンセプトカーの作成などによく関わっておられます。その日南さんの拠点の一つが宮崎にあるので、コンテナはそこに置かせて頂いています。 ――仕様とかもコンソーシアムで決めているのでしょうか? [若原氏] 決めていきたいですね、これから実証実験を経て決めていきたいです。コンテナは割と前に買ったのですが、コロナもあって宮崎への移動に支障が出てしまい、少しスケジュールに遅れは出ているんですが、今回の出展でそのあたりを加速していきたいと思っています。 ――今コンソーシアムに参加している企業はどれくらいあるのですか? [若原氏] 10社前後ぐらいです。今後も増やしていきたいと考えており、ご興味をもって一緒にやって頂ける方はぜひご参加頂ければと思っています。 ――今後パートナーを1業種1社のようにする計画は? [若原氏] 暮らしの様々な側面で関連するプロダクトなので、暮らしを平時と有事に分けると、平時の観点でご一緒できる他拠点居住とかリゾートとか。有事の観点では災害支援とか都市内での対応とかそういう観点でご一緒できるような企業様であれば、特に1業種1社みたいな縛りは考えていません。 ■データ会社のトレジャーデータが「住めるコンテナ」に取り組む理由 ――そもそもなぜIT企業であるトレジャーデータがこうした取り組みをされているのでしょうか? [若原氏] トレジャーデータはビッグデータを価値に変えるデータ基盤を提供する会社です。ビッグデータというのはよく聞くキーワードだと思いますが、大量のデータから意味のある価値を見いだすには、様々なデータを活用したり、統合して分析して示唆を得る必要があります。その得た示唆を、例えばメール配信ツールですとか、マーケティングツールとかと連携していくためには結構いろいろなことが必要になるのですが、それをスムーズに出来るようにするのはなかなかハードルが高い。  例えばそのオンラインで得られたデータと、オフラインで得られたデータを、1人の顧客を中心にして、うまく結びつけるかというのは難しい作業になります。また、ログデータっていう毎分あたり何百件みたいな、何千件みたいなレベルで大量のデータが発生していますが、それをある程度の速度で処理していくのは大変で、自社でそういう環境を構築しようとすると、コストであったり、人材であったりとハードルがたくさんあります。  そのため、その辺は我々が基本的には全部用意して、それをSaaS(Software as a Service、クラウドでサービスとして提供されるソフトウェア)でサブスクリプションという形で月額料金で使って頂けるサービスを提供しています。我々はそのサービスをCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)と呼んでいます。 ――そうしたトレジャーデータがなぜOUTPOSTに取り組むのでしょうか? [若原氏] CDPが使われているのは主にデジタルマーケティング分野などで、そこでは多くのお客様にお使い頂いています。しかし、今後CDPの幅をもっと広げていきたいと弊社では考えているのです。  デジタルマーケティングというと、買い物するときにリコメンデーションなどがその典型的な事例だと思いますが、欲しかったモノが意外なところからわかって嬉しいということがあると思います。それ以外でも、暮らしをデータがよくするって産業は他にもあるのではないかと我々は考えているのです。例えば、今はいわゆるIoT(Internet of Things)の世界も含めて、データが暮らしを豊かにしていっているという世界の中で、我々のCDPがもっと使われて欲しい、そう考えて取り組んでいるプロジェクトがOUTPOSTなのです。  OUTPOSTのような取り組みに我々がCDPを基盤として入れさせていただいていて、例えば水が循環する度にデータが溜まっていったりとか、空間をセンシングする度にそのデータがたまっていったりすることで、それを分析して様々な予測が出来るようになると考えています。このOUTPOSTの中で起こっている暮らしをちゃんとデータとして視覚化し、OUTPOST自体にフィードバックしたり、そこに暮らしている人達にフィードバックすることでより豊かな価値を実現する基盤としても使っていって欲しいのです。 ――一種のショールーム的な感じでしょうか? [若原氏] そうですね、トレジャーデータを主語とするとキャンペーン的なイメージです。我々はこのOUTPOSTを販売してマネタイズしたい訳ではなく、こういうことが世の中に広がっていった先に、CDPのお客様が広がるといいなというのが、ビジネス的な狙いになります。  ただ、こうした世界は広がるまでに時間がかかるという感覚があります。トレジャーデータの今の立ち位置と、このプロジェクトには大きなギャップがあります。ですので、我々がまず1つ事例を作り、世の中への啓蒙も含めて、新しい道を切り開いていきたい、そう考えています。 ■OUTPOSTで古い物件の「OS」もリノベーションしていく、という考え方 ――このOUTPOSTの取り組みのために、コンテナを買われたという話をされていました、そのコンテナの状況について教えてください。 [若原氏] コンテナに関してはレンタルという話もありました。一社パートナーとして西尾レントオールさんという建設機器のレンタルビジネスの大手企業さんと連携し始めていて、そういった方々からの建築現場ですとか、大規模なイベント会場に仮設の事務所やトイレなどが展開されるのですが、そういった所にOUTPOSTを商材として展開していくようなビジネスが出来るのかどうか、検討を始めています。また、このOUTPOSTはハウスという形にこだわっているのではなく、ここであげた要素技術を上手くバンドルして、一つの暮らしのOSとして既存の物件にインストールしていくという考え方もあります。言い換えるなら、OUTPOSTはそれをコンテナハウスにインストールした例をビジュアルでお見せしている、というような形になります。 ――通信回線というのはどのくらい必要なのでしょうか? [若原氏] 常時接続は必須と考えています。5Gが一般的になった状態で5Gネットワークに常時接続するというのを前提に考えています。もともと2030年のSociety 5.0という世界に向けて提案し始めたものなので、その時点でインフラとして成り立っているネットワークにも常時接続するっていうイメージです。 ――コンテナという形だけでなく、既存の建物などにも適用可能なのでしょうか? [若原氏] 今回ご紹介させて頂いているテクノロジーをセットにすると、そうしたことも可能です。例えば味のある古い物件をリノベーションする時に、物理的な部分のリノベーションというのはこれでもあったと思うんですが、それに合わせてデジタルのリノベーションをしていくイメージです。  見た目は味のある物件なんだけど、その裏で動いているOSはちゃんと最新版になっている。最近で言えば、タイプライターの形をしているUSBキーボードにしてみました、みたいなものだと思うんですが、そういうノリのことをできたら面白いなと思っています。今回は、リビタさんという住宅のリノベーションを最大手の会社さんと連携を始めていて、今後展開される事業の中でOUTPOSTをOSとして展開していく、そういう話を始めています。 ――つまり、トレジャーデータとしてはOUTPOSTという製品を販売するのではなく、CDPをその基盤に提供し、その上で皆さん一緒にビジネスをしてください、とそういうことですね? [若原氏] その通りです。そのためのパートナーを今一生懸命作っている段階です。 ――面白い取り組みですね。ITってどうしてもハードウェアとソフトウェアがそれぞれ別の会社が作っていたりして、上手くそれがマッチしていないなんてことがよく起きます。それを融合させていこうという取り組みな訳ですね? [若原氏] この間もパートナー企業と対談したんですが、空間センシングするオリジン・ワイヤレス・ジャパンさんのようなOUTPOSTのテクノロジーホルダーと、OUTPOSTの住宅系のプレイヤーで意見交換をしました。ハードウェアとソフトウェアの両方を俯瞰する形で、引き算が図られて最適化されるみたいな議論は大変面白かったです。  例えば、オリジンワイヤレスさんの技術があると、住宅の中で起こっていることがわかりますが、やっぱりそうは言っても今の住宅の間取りだと電波の届かない場所はどうしても出てしまいます。そうすると、住宅系のプレイヤーの方からは電波の届きやすい間取りをそもそも考えたらどうかという話が出てきて、見守り安い間取りとは…というように議論が膨らんでいきました。それを元に新しい設計思想が出てきて、そこにテクノロジーが入っていく、ちょっと今までになかったハードウェアとソフトウェアがスパイラルアップみたいな話になってくるのが、このプロジェクトの面白いところです。 ――これまでトレジャーデータの顧客というと、SaaSを使っているIT企業が多かったと思いますが、このコンソーシアムに参加されているのはかなりそれとは違うイメージですね [若原氏] CDPをお使いのお客様という意味では多種多様な業界にまたがっています。ただ、例えば住宅メーカーさんがお客様の場合でも、我々と接点がある部署はデジタルマーケティングを担当するマーケティング部門だったり、IT部門だったりということは多かったです。  しかし、このOUTPOSTのプロジェクトでは同じ住宅メーカーさんでも、商品開発の部門だったり、新規事業の部門だったり、というところと接点がでてきた。違う文脈でCDPを使って頂ける接点が出来そうだなという意味で、我々の販促活動としても広がりが出つつあります。  その意味で、OUTPOSTの取り組みはIoTの基盤としてCDPを使ってくださいということになり、今までもそういう事例はなかった訳ではありませんが、そんなに多くはなかったのです。 ――今後OUTPOST以外にCDPが使われていくと見られるアプリケーションにはどんなものがありますか? [若原氏] よく紹介しているのはドライブレコーダーで使われる例です。最近のドライブレコーダーには様々なセンサーがついていて、その人の運転状況のデータを収集できます。それにより運転手一人一人にあった警告の出し方とか、パーソナライズされたコミュニケーションが実現できるというのはIoTとCDPの活用事例になっています。  いわゆるテレマティックス保険的なニーズが増えてCDPの必要性があがると考えています。また、業界をまたがるようなビジネスが発展して、データを扱うニーズがさらに生まれてくる、そう考えています。 ――今回の展示は共創していく方に見て頂きたいのか、ユーザーの方に見て頂きたいのかどちらでしょうか? [若原氏] 両方ですね。これからこうしたプロジェクトに参加して頂く方にももちろん見て頂きたいですし、OUTPOSTを建てたいですという方にも見て頂きたいです。個人でももちろん構わないです。例えば、地方移住であるとか、他拠点居住を誘致されようとしている地方自治体の方々、先ほど申し上げたリゾート的な施設とかビジネスとしてこれを展開頂ける共創できる方、よりビジネスパートナーとして一緒にこれを使って頂ける方に見て頂けると嬉しいです。 ――今おいくらとかそういう価格的なモノは見えてきているのでしょうか? [若原氏] 正直今はないんですが、コンセプトとしていろいろな事から解放される、暮らしを解放するものにしていきたいのでリーズナブルな価格にしようと思っています。 ――ロードマップとしてどういうイメージを? [若原氏] 少なくとも3年以内にはここで示させていただいた方向性のいずれかで事業化が始まっていることを目指したいなと思ってます。コンソーシアムに参加さている企業の皆様が新しい事業として取り組みが始まっていて、我々トレジャーデータとしては、それを支援する立場でお手伝いをさせていただく形になっていくと考えています。

INTERNET Watch,笠原 一輝

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