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木村達成&佐藤寛太&宮崎秋人らが宮沢賢治の未完成の傑作を現代に蘇らせる。音楽劇「銀河鉄道の夜2020」まもなく開幕!

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宮沢賢治の未完成の傑作『銀河鉄道の夜』が、音楽劇「銀河鉄道の夜2020」として舞台化。9月20日(日)から10月4日(日)まで神奈川芸術劇場ホールにて上演される。 本作は、青山劇場開館10周年記念事業として1995年に幕が開いた「イーハトーボの音楽劇『銀河鉄道の夜』」を新たなプロダクションとして蘇らせる試みで、神奈川芸術劇場の芸術監督ラストイヤーを迎える演出家の白井 晃が「再び向き合いたい」と願い続けていた作品。演出の白井をはじめ、初演のクリエイティブスタッフが再集結、さらに新たなスタッフを加え、木村達成、佐藤寛太、宮崎秋人、岡田義徳といった実力派俳優が揃った豪華なカンパニーで届けられる。 そこで、主演のジョバンニ役の木村達成、ジョバンニの幼なじみのカムパネルラ役の佐藤寛太、ジョバンニの学友のザネリ役の宮崎秋人にインタビュー。3人の息の合ったコンビネーションを感じられる鼎談となった。 【写真】木村達成さん&佐藤寛太さん&宮崎秋人さんの撮り下ろしショット 取材・文 / 竹下力 撮影 / 冨田望 ◆演劇をすることが難しい時期に、舞台を上演できる喜びーー 1995年に白井 晃さんが演出を手がけた傑作「イーハトーボの音楽劇『銀河鉄道の夜』」が、2020年バージョンとして蘇ります。チラシのコメントからも白井さんの熱量を感じるのですが、この作品に携わることになったお気持ちを聞かせてください。 【 木村達成 】 今年のような演劇をすることが難しい時期に舞台を上演できることだけでなく、1995年に公演した素晴らしい作品を再び作ろうとする演出家の白井さんの熱気を感じるので嬉しいです。白井さんは、木村達成として演じるジョバンニを演出してくださっているので、自分にプレッシャーをかけつつ稽古に臨んでいます。 【 佐藤寛太 】 白井さんの舞台に出演させていただくのは光栄です。僕が生まれる前に存在した舞台を蘇らせようとする白井さんの熱意、それからKAATの10周年の節目に今作を上演することは大きな意味がある気がしますし、このカンパニーに参加できて嬉しいです。 【 宮崎秋人 】 白井さんから「当時から今作は挑戦だった」と伺ったり、前作から続投するスタッフも多い中で、皆さんが発する熱に負けないように食らいついていきたいです。今の状況を踏まえた制限された創作環境でも、1995年の作品を上回らないと意味がないと感じながら、みんなで楽しんで舞台を作っています。 ーー 能祖將夫さんの脚本は、宮沢賢治のエッセンスを巧みに抽出して素晴らしかったです。 【 木村 】 ジョバンニを演じるにあたって“七色のカムパネルラ”を使い分けないといけないと思っていて(笑)。いろいろなシーンでジョバンニは「カムパネルラ」と彼の幼なじみの名前を呼ぶのですが、それぞれ抱いている気持ちが違うんです。ですから、ジョバンニの気持ちの数だけお客様に意味が伝わらないといけない。ただ名前を呼んでいるだけではなくて、使い分けをしっかりしたいと思います。 ーー モノローグも多用されていますね。 【 木村 】 そうです。ジョバンニの内面をしっかり表現しながら、ひとりよがりにならずにお客様に届かせなくてはいけないバランスが難しいです。それでも、今作を乗り越えれば、俳優として必要な武器を得られるような気がして。脚本は原作には書かれていなかったジョバンニの学友であるザネリに対しての想いも丁寧に描かれていて、自己犠牲というテーマが詰まった作品だと思います。 【 佐藤 】 僕は、上演時間に比べ、台本のページが少ないことに驚いたのが第一印象だったんです。 【 木村 】 そうだね。 【 佐藤 】 これからの稽古で台詞や動きがつながって、どうやってあるべき作品の姿になるのか、楽しみです(笑)。 【 宮崎 】 個人的には、今作の台本はジョバンニにフォーカスが当てられていると思います。それでいて、原作をわかりやすく能祖さんが噛み砕いてくださって、物語の世界観に入りやすかった。おかげで、宮沢賢治のバックボーンをキャッチしやすくなりました。 【 木村 】 “宮沢賢治節”と白井さんがおっしゃっていますが、宮沢賢治の詩的な表現を散りばめながらも、わかりやすく描かれています。 【 佐藤 】 ワードを簡単にされませんよね。現代の言葉遣いにせず、あくまで原作のエッセンスを残しているので印象深い台本だと思います。 ◆限られた人数でひとつの舞台を作っていく方法が面白い ーー ここまでの稽古の手応えを教えてください。 【 木村 】 初演から新しくなった台本も頭に入りましたし、ジョバンニの演技も形になりつつあると思います。これからは、周りのキャストの視線や仕草から、ジョバンニ像をさらに突き詰めたいです。プレ稽古を含めて2週間経って、お芝居がだんだん良い方向に変貌を遂げてきて、さらに作り直している最中というか。限られた人数でひとつの舞台を作っていく方法が面白くて、これまでに観たことのない「銀河鉄道の夜」の世界をお客様は楽しめると思います。 【 佐藤 】 僕らの役の稽古もハードですが、なによりジョバンニが大変だと思いました。音楽や効果音が入るきっかけで台詞を喋らなければいけないことが多くて、喋りだすタイミングを掴むのが難しい。鳴っている音も不思議で、8ビートや16ビートを刻んでいるわけではないので、間が覚えづらいんです。ジョバンニ以外も音に合わせて動くシーンがあるので、これからは音が鳴り響く中でもシーンをきちんと成立させたいと思います。 【 宮崎 】 本稽古に入って、1995年のときにも出演されていた、さねよしいさ子さんが加わったのが大きいです。さねよし(いさ子)さんの歌が素晴らしくて、ずっと聴いていられますね。 【 木村 】 たしかに。 【 宮崎 】 “音楽劇”と銘打たれているように音楽にフォーカスがあたっているぶん、さねよしさんがいないと絶対に成立しない舞台だと思います。 【 佐藤 】 どのキャストもマスクをしているせいもあるのですが、本当に歌っているのか、録音された音源なのかわからないと感じるほど完璧な歌で。とにかく歌に圧倒されますね。 【 木村 】 本番はとてつもない労力になると思うけど、さねよしさんがいるからこそ完成する作品です。 ーー 今までの舞台と稽古の雰囲気は違っていますか。 【 木村 】 マスクをつけながら稽古をするのは珍しいですし、キャストの皆さんの顔の全貌を見ないまま稽古を続けているのは初めての経験にはなります。通し稽古で初めて全員と顔を合わせる状況ですので大変ではありますが、コロナ禍の中で稽古をするためには、これが当たり前だと思っていて。僕らが常に最善の注意を払うことで、お客様も安心して劇場に来ていただけると思います。 【 佐藤 】 音楽劇が初めてで未知数なので、驚くことがたくさんあります。プレ稽古のときから皆さん台詞を覚えていらっしゃるし、本稽古ではすぐに動きに入ってびっくりしました。 【 木村 】 1幕から2幕の終わりまでの感情の流れを身体に覚えさせるのがプレ稽古では大切で。このあとミュージシャンの方が入るし、9月20日(取材日は8月下旬)が初日だから、思ったより時間がないからね。 【 佐藤 】 なるほど、プレ稽古の段階で芝居を固めておく必要があるんですね。 【 木村 】 僕はプレ稽古が挑戦の場だと思う。白井さんに自分の演技プランを提示して、白井さんの頭の中のおもちゃ箱から面白いエッセンスが生まれることで、「あのシーンはこうすれば面白くなる」という刺激的な演出が出やすくなる。もちろん、今からでも遅くないから、「こういう演技はどうですか?」と聞きにいくといいよ。 【 佐藤 】 ありがとうございます! 【 宮崎 】 僕はザネリを表現できているつもりでも、まだ白井さんの思い描いている絵に近づいていないから、稽古で足りない部分をはっきりおっしゃってくれるのは、ありがたいです。今作を乗り越えたら、俳優として違う景色が見えると思います。 ーー 白井さんの印象はいかがでしょう。 【 木村 】 俳優に対する愛情をいつも感じますし、稽古は大好きだとおっしゃっているので、僕もこれを機に自分の稽古のあり方を見つめ直したいと思います。 【 佐藤 】 ひとつのシーンを突き詰めて、舞台を作る姿勢に感動します。時計の針もまったく気にしないほどで(笑)。とてつもない情熱がある方です。 【 宮崎 】 たとえば、誰かが泣かないといけないシーンでは、その直前を何度も繰り返すことで、シーンを完成させていくよね。 【 木村 】 そう。僕も泣くシーンがあるけど、稽古で4時間ずっと泣いていたからね(笑)。 【 宮崎 】 (笑)。とにかく熱量がすごいので、ついて行きたいと思わせてくださる方だし、振り落とされたくないと思います。 ◆人間が生きることの価値を証明する意味を考えてほしい ーー 白井さんからかけられて印象に残っている言葉はありますか。 【 木村 】 「人間が生きることの価値を証明する意味を考えてほしい」といった素敵な言葉をいただきました。それが物語の最後につながっていくためのパンチラインになると思います。 【 佐藤 】 僕は、「腹に力を入れる」かな。 【 木村 】 さっきの稽古で言われたばかりじゃん!(笑)白井さんと(佐藤)寛太が話しているときは面白いよね。寛太の舞台経験を考えて優しく話されていると思う。経験のある(宮崎)秋人くんには「わかるよね?」と振るだけなんだけど(笑)。もちろん、寛太におっしゃっていることも、僕たちが意識しないといけないことだから大切にしたいよね。 【 宮崎 】 僕はプレ稽古の最終日に白井さんから「稽古場でたくさん失敗していいから、なんでもチャンレンジしてください」とおっしゃっていただいて勇気づけられました。白井さんの言葉を頼りに、本番までに正解を叩き出したいと思っています。 ーー 孤独な少年のジョバンニを木村達成さん、ジョバンニの幼なじみのカムパネルラを佐藤寛太さん、ジョバンニの級友でいじめっ子のザネリを宮崎秋人さんが演じます。 【 木村 】 原作は宮沢賢治の未完成の作品と言われているので、底本によって内容が異なり、登場人物の名前の呼び方も違います。だからこそ、ジョバンニにはいろいろな見方があって。僕の演じるジョバンニは内気なタイプではなくて、自分のしたいことが何かを発言できる素直な子供です。それでも、いろいろな人と出会って気持ちが揺れ動き始め、不安になってカムパネルラに救いを求めてしまう脆さもあわせ持つというか。けれど、みんなに心配をかけたくないと思っている優しい男の子だと思います。 【 佐藤 】 難しいとしか言えない部分がカムパネルラの魅力です。原作を読むと人間くさいのですが、脚本を読んで台詞を喋ったり、身体を動かしてみると普通の子供とは思えない感じもする。クラスメートの輪の中にいても、どこか浮いているところがあるんです。原作の持つリアルな人間らしさと、舞台でのカンパネルラの見せ方の違いを意識したいと思います。 【 宮崎 】 ベクトルがジョバンニに向いているときは、役を掴みやすいです。ただ、ジョバンニではなくて、クラスメートたちとの関係は原作ではあまり描かれていないので、シーンによって別人格にならなければいけないと思っています。 ーー 原作が未完成なぶん、演じるのに難しいところがある。 【 佐藤 】 そうです。特にザネリは難しいですよね? 【 木村 】 でも、プレ稽古でザネリにいじめられるシーンは、さほどいじめられている気持ちにはなれなかったのに、本稽古に入ってだんだん秋人くんが演じるザネリが深まっていくのがわかってきて。プレ稽古は自分のお芝居で精一杯で、他のキャストの芝居まで気がまわらないせいもあるのですが、それにしても、稽古を経るごとに秋人くんの発する言葉が鋭利になってきて、グサグサとジョバンニを貫通して、こんなに芝居が良くなるのだと驚いています。逆に僕のひと言が相手に届いているか不安になるほどで(苦笑)。 【 宮崎 】 嘘だよ!(笑)僕のインスタには、「(木村)達成がジョバンニを掴んでいるのを見て、おいていかれそうだから宮崎も頑張ります」って書いたよ。 【 木村 】 あはは。 【 佐藤 】 (笑)。僕はまだ、シーンによってジョバンニの心の声を受け取れるときと受け取れないときがあって。演じていて、それが曖昧だと思ってしまうことがあります。 【 木村 】 そういうときは、「もっとジョバンニの心を知りたくなったから近づいてもいいですか」と聞いてくれれば大丈夫かな。ジョバンニは、カムパネルラに声をかけて欲しい存在だから。 ◆ジョバンニの周りに合わせてしまう性格に共感 ーー 役と向き合っていかがですか。難しいところ、共感できるところはありますか。 【 木村 】 ジョバンニのまわりに合わせてしまう性格に共感できます。たとえば、学校に入学した日に、他人と違った行動はとらないですよね。僕は目立ちたがり屋ではありますが(笑)、入学した初日はみんなの輪からはずれないようにしていた記憶があります。 【 宮崎 】 今作では、僕の経験と役の心情を白井さんが結びつけようとしてくれます。どうしてザネリがジョバンニをいじめるのか考えると、僕の感情を掘り起こして、いろいろな心情と向き合わないといけなくなるんですね。なので、脚本だけでなく、僕の内面とにらめっこをしている時間が多くなります。 【 佐藤 】 僕は、まったく考えていないです(笑)。 【 木村 】 天才だわ(笑)。 【 佐藤 】 それは冗談ですが、毎朝、稽古前に原作を一読して役と向き合っています。 ーー 木村さんが主演でありますが、3人が織りなす絆、友情や挫折、希望が大切な作品だと感じるのですが、皆さんでどのようなカンパニーを作りたいですか。 【 宮崎 】 まずは中心人物を演じる達成について行きたいと思います。演じるのに苦しむ役なのに、稽古が始まるとジョバンニと達成の境界線がなくなって。達成は本当にいろいろな困難に向き合いながら、心をえぐって演じていると感心します。そんな強い気持ちで作品と向き合っている達成とは本気で向き合いたいと思っています。 【 佐藤 】 達成くんは、真面目に不真面目なんです。 【 木村 】 どういうことだよ!(笑) 【 佐藤 】 (笑)。いつも真面目なのに、いきなりふざけたり……。でも、演技では詰めるところはしっかり詰めていて尊敬します。 【 木村 】 僕は稽古場で皆さんのお芝居をキャッチして、楽しく演じることができればいいと思っていて。今日のように和気藹々とインタビューできるのも嬉しいですし、良い関係性を保っていると思うので、座組みではありのままの自分でいたいです。 ◆僕たちが劇場で真摯に演じていることを証明してほしい ーー それでは、最後に見どころをお願いいたします。 【 宮崎 】 僕たちも早く観たいと思っている作品です。ぜひ、劇場にいらしてください。 【 佐藤 】 観なければ損ですよ!(笑) 【 木村 】 皆さんの応援で僕たちが劇場で真摯に演じていることを証明してください! 【 佐藤・宮崎 】 よっ、決まった!(拍手) 木村達成&佐藤寛太&宮崎秋人らが宮沢賢治の未完成の傑作を現代に蘇らせる。音楽劇「銀河鉄道の夜2020」まもなく開幕!は、WHAT's IN? 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