なぜ日本は南アに敗れ4強進出を果たせなかったのか?
日本ラグビー界はこれまで経験したことのない境地に到達した。ロックのトンプソン・ルークと、ウイングの福岡堅樹は代表引退が濃厚も、この日は相手の強靭なダブルタックルを食らって思うように前進できなかったナンバーエイトの姫野和樹らは、4年後に視線を向ける。 実際に戦った選手たちの皮膚感覚を今後の進化に繋げるには、もちろんバックヤードの尽力も不可欠だろう。 もっともサンウルブズがスーパーラグビーに挑めるのは2020年までで、ラストシーズンは、国内トップリーグと日程がかなり重なるなど課題が多い。 日本協会の清宮克幸副会長は2021年以降に新しい国内プロリーグを発足させたいとするが、「世界へのパスウェイは大事」と語る協会幹部もいる。国際派で鳴らす岩渕健輔専務理事が、どこまで他国代表との接点を作れるかも強化のカギだろう。 日本協会は16日、ナショナルチームの次期体制について討議する選考委員会を設置したと発表している。委員長を務める森重隆・日本協会会長、藤井雄一郎強化委員長らはジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチの続投を推しそうだが、ここまでジョセフ・ヘッドコーチの右腕を担った戦術家のトニー・ブラウンアタックコーチは、来季から母国ニュージーランドのハイランダーズで指導にあたると現地で報じられている。当の本人は、まだ出処進退を明らかにしていない。ただ、もし既報通りに事が進むなら、ジョセフ・ヘッドコーチとの契約延長以外にも考えるべき点は生じる。 フランカーのリーチ マイケル主将はこう語る。 「大学も企業チームも選手を育成しようとしていて日本には素晴らしいラグビー選手がいることが(今大会までに)わかった。いいシステムを作ればどんどん成長できるでしょう」 イングランド大会直後には、指揮官の選定や、強化委員会と現場の意思疎通などが乱れた。今年6月に発足した日本協会の執行部と、これからの日本代表は、2023年のW杯フランス大会へ向け、どのようなリスタートを図るのだろう。 (文責・向風見也/ラグビーライター)