【2020年のドライバー・ベストを決める】32回目の英国ベスト・ドライバーズカー選手権 決勝9台を一気に評価 BBDC 2020(4)
フェラーリF8トリブートは途中退場
一方で、優れない視界やドライビングポジションなど、人間工学的な部分での不満は少なくない。サスペンションの減衰力特性も、マクラーレン765 LTには及ばなかった。 ウラカンは、一般道ではしなやかさに欠け、起伏の多いカースル・クーム・サーキットでは良い印象を与えてくれなかった。ウラカン・ペルフォルマンテのサスペンションが組まれていれば、上位に食い込めた可能性はある。 さて、同じイタリア勢として写真には残っているフェラーリF8トリブート。事前の写真撮影では快調に走っていたのだが、審査員による比較試乗の前に機械的な故障が発生。評価せずに姿を消している。 意外だったのが、アストン マーティン・ヴァンテージ・ロードスター。審査員のうち2名が、一般道よりサーキットの方が楽しく感じたという。 ワイルドな雰囲気と、メルセデスAMG由来の4.0L V8ツインターボは、誰もが好きになるはず。「ポテンシャルの60%程度の良い領域を掴めば、楽しい時間を過ごせます。息苦しいほどの太いトルクと、高回転域で雄叫びを上げるエンジンは素晴らしい」 「手応えの濃いステアリングと、強力なフロントタイヤのグリップも、確実な走りを支えています。大きなボディにも関わらず、狙った場所にヴァンテージを進めていけますね」。マット・プライヤーが笑顔で降りてくる。 その反面、コンバーチブルとしての車体構造が、能力に制限をかけている。乗り心地もわずかに悪化し、ボディサイズや車重を意識させられてしまうことは確かだ。 この続きは(5)にて。
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