楽天首位肉薄、則本で0・5差! 秋田は〝輝星一色〟…ホームなのに「ビジターかなと」
パ・リーグ2位の楽天は21日、日本ハム10回戦(秋田)に3-0で快勝。則本昂大投手(31)が6回⅔を投げ、3安打無失点で5勝目を挙げた。2017年以来、5年ぶりに開催された秋田での主催試合。凱旋登板した吉田輝星投手(21)に貫禄勝ちし、登板2戦目で秋田初勝利。チームは連敗を3で止め、首位・ソフトバンクとのゲーム差を0・5に縮めた。 【写真】吉田輝星がロージンバックをつかむと、粉が宙を舞い、幻想的な光景に 秋田の夏の風物詩『竿燈(かんとう)まつり』の巨大なちょうちんを模した照明が輝く、こまちスタジアム。則本が七回途中無失点で5勝目。チームに11カードぶりの連戦初戦の勝利をもたらした。 「僕たちより彼(吉田)のほうがすごい歓声を浴びていたので、ビジターかなと思った。秋田が彼を待っていたので、それに負けないように頑張れました」 秋田での主催試合は5年ぶり。相手先発は秋田・金足農高時代の2018年夏の甲子園大会で準優勝した吉田だった。前日に「東北の球団ではあるけど、ちょっとヒール役になるんじゃないかな」と苦笑いしたが、冷静さは失わなかった。 ご飯をつぶしてつくる郷土料理、きりたんぽのように粘りが光った。最大のピンチは一回。1死二塁から清宮をこの日最速151キロの直球で三ゴロ、野村を一直に仕留めた。三回までに67球を費やしながら尻上がりに調子を上げ、四-六回は一人の走者も許さなかった。 かつての仲間の意見に素直に耳を傾けた。5日のDeNA戦で10安打を浴び、5回3失点。この試合をテレビ観戦した三重中京大時代の野球部同期、田中真澄さん(31)から軸足となる右膝の使い方について助言を受けた。次の登板までに見直し、12日の巨人戦から2連勝。現在会社員の田中さんは「プロでもない僕が言ったことでも耳を傾けてくれる」と感嘆する。 則本は秋田で初めて投げた2015年7月28日のソフトバンク戦で黒星を喫した。114球を投げたこの日は竿燈ならぬ完投こそ逃したが、チームの連敗を3で止め、首位ソフトバンクとのゲーム差を0・5に縮めた。 9年ぶりの日本一へ。「これまで通り、自分らしい投球をして勝ちをつかみ取っていけるようにやっていきたい」。〝輝星一色〟の秋田で、通算101勝投手の貫禄を示した。(加藤次郎) ★チケット完売 5年ぶり11度目となった秋田開催のチケットは完売。こまちスタジアムには満員の1万7128人が詰めかけた。場内のコンコースにはご当地名物のババヘラアイスや、きりたんぽ鍋の出店が並んだ。試合前時点で秋田では10試合で3勝6敗1分と負け越していたチームだが、前回開催の2017年に続き、秋田のファンに白星を届けた。