＜日本女子オープン・最終日＞優勝トロフィーを手に笑顔を見せる竹田麗央（撮影・西尾　大助）

　◇女子ゴルフツアー　日本女子オープン最終日（2024年9月29日　茨城県　大利根CC西C＝6845ヤード、パー72） 　メルセデスランク1位の竹田麗央（21＝ヤマエグループHD）が日本女子プロに続く国内メジャー2連勝を飾った。首位から出て3バーディー、1ボギーの70で回り、通算10アンダーで逃げ切り大会初制覇。史上初めて初優勝したシーズンで7勝に到達した。同一年度の日本女子プロ、日本女子オープンの2冠獲得は史上3人目の快挙。年間メジャー2勝で5年シードを獲得し、米ツアー予選会挑戦を示唆した。 　1打リードの18番、竹田は1Wを思い切り振った。観客が電話を掛けたため仕切り直しを余儀なくされたが、迷いも重圧も振り払った。フェアウエーからグリーンを捉えて2パットのパーでホールアウト。最後は2打差をつけて逃げ切った。 　「日本女子オープンは獲りたいタイトルだった。歴代チャンピオンは凄い選手ばかり。そこに自分が入れてうれしい」と感慨に浸った。6845ヤードのツアー史上最長コースでただ1人2桁アンダーに乗せた。軸になったのは平均飛距離260ヤードを超えるティーショットだ。同組の山下を置き去りにして試合を優位に進めた。2番で先行されたが、3番と8番で第2打を30センチにつけて突き放した。 　日本女子オープンは5回目の挑戦。初出場した19年は予選落ち。「ラフが深く、距離も長くて歯が立たなかった」。しかしこの日は12番、14番で深いラフにつかまりながら巧みなアプローチでしのいだ。19年も、ローアマ（7位）になった21年もキャディーを務めたプロゴルファーの母・哲子（さとこ、56）は「最初は深いラフに対応できずアプローチも打てなかった。成長した」と褒めた。 　メジャー2連勝で史上初めて初優勝のシーズンで7勝に到達した。過去シーズン7勝以上を挙げたのべ5選手は全員が賞金女王（当時）になっており、メルセデスランク1位を快走中の竹田も初の年間女王にぐっと近づいた。 　年間メジャー2勝で5年シードを手にし、今後のプランも変わってきそうだ。これまでも将来的な米ツアー挑戦を公言していたが「複数年シードを取れたので、今年やってもいいかな」と12月の最終予選会に参戦する意向を示唆した。21歳の逸材は飛躍を続ける。（福永　稔彦） 《美夢有中盤苦戦3位　メジャー3冠お預け》　2季連続女王の山下は首位タイから73とスコアを落として3位に終わり、メジャー3冠はお預けとなった。2番で6メートルを沈めるなど一時はリードを奪うも、中盤7、10番で3パットのボギーを叩くなどグリーン上で苦戦。「攻めのゴルフはしたけどチャンスにつく回数も少なかった。ショートゲームも良くなかったのでスコアづくりができなかった」と悔しさをにじませた。6戦連続のトップ5と優勝争いを続けており、次こそ今季初勝利をつかみ取りたい。 《明愛　初戴冠ならず「悔しい気持ちある」》　メジャー初タイトルを目指した岩井明愛は70で回り、2打届かず2位だった。14番までに3つスコアを伸ばし、首位の竹田に1打差で迎えた最終18番パー4でパーオンを逃してボギー。「自分らしく攻めようと思った。悔しい気持ちもあるけど、それ以上に竹田麗央ちゃんが良いプレーをしていたのでさすが」と勝者を称えた。惜敗となったが、優勝を含めて6戦連続のトップ10。「優勝争いの回数を増やして、次勝てたら良い」と次戦を見据えていた。