苦戦の缶コーヒー市場に光明 ボトル缶「ワンダ極」が拡大している理由 1-8月8%増 YOSHIKIさん効果か アサヒ飲料
アサヒ飲料のボトル缶コーヒー「ワンダ極」シリーズの1-8月販売数量が前年同期比8%増となった。 コロナ禍で缶コーヒー市場が主要販売チャネルである自販機やコンビニに人が集まらず低迷する中、「微糖」「カフェオレ」「ブラック」の既存3品で広告・販促を積極展開したことがプラス要因となった。 これについて、取材に応じた河口文彦マーケティング本部マーケティング一部コーヒーグループグループリーダーは「コンビニ様では“飲む習慣”を意識し、施策を入れ続けてトライアルを獲得していく活動に注力している。お客様のライフスタイルに入っていくと飲み続けていただけるものと思っている」と説明する。 コンビニでは「微糖」が一番の売れ筋で、次に水をあけて「カフェオレ」が売れているという。 一方、スーパー・量販店では配荷が拡大。「いかに間口(飲用層)を広げて手に取っていただく機会を増やしていくことを念頭に営業活動した結果、お取り扱いが増えた」という。スーパー・量販店での売れ筋はコンビニとは異なり「ブラック」「微糖」「カフェオレ」の順になっている。
販促施策としては春夏にかけて実施した「PayPayボーナス」がその場で当たるキャンペーンが奏功したことから、9月1日から11月16日にかけて第2弾を実施している。 第2弾では、「ブラック」と「微糖」の対象商品についている二次元コードをスマホで読み込んで応募すると抽選で3000人にPayPayボーナス1000円分をチャージできる「PayPayギフトカード」が付与される内容となっている。 コミュニケーションは、4月にYOSHIKIさんが登場する「ワンダ極」専用のTVCM「極めた人」編を放映し、同CMも販売を後押しした模様。YOSHIKIさんは現在、「モーニングショット」と「金の微糖」のショート缶2品を訴求する新TVCM「進撃のYOSHIKI」編に出演している。秋冬に向けては「ワンダ極」シリーズでも何からのコミュニケーションが予想される。 同社は今年、「ワンダ」ブランドで40-50代のコアターゲットに向けてコーヒーや嗜好飲料の本来の味わいを追求していく方針を打ち出し、秋冬もこの方針をもとにマーケティング活動を展開していく。