コンセプトは「音を必要としないカフェ」 マスターは耳が不自由な38歳の男性 “やりたいことを諦めない” 幼少時から抱えていた“生きづらさ”乗り越え #令和に働く
“手話”という言語で広がる交流と笑顔
カフェのオープンから半年が過ぎ、倉又さんの活動をSNSで知って韓国や台湾など海外から客が来ることも。 この日も次々とお客さんが訪れます。中には手話を勉強する人も……。 訪れた客 「私も手話を勉強し始めてから、手話教室の先生や周りのろうの方と話す機会があったんですけど。それまでは、聴覚障害を持つ方と接する機会がなかったので、こういう場がたくさん増えるといいなと思います」 訪れた客 「手話で会話をしようとすると、手話で返してくれるのでそれがすごく刺激になっています。毎回新しい手話を動画サイトで見て勉強し、このカフェに来て手話が伝わるか挑戦しています。手話が通じたときは喜びを感じます」 Q)きょうはどんな手話を覚えました? 「きょうは”アイス”が寒い(両手を握り脇を締めて立て、ブルブル振るわせ凍える様子を表現)というジェスチャーで、コーヒーは回すジェスチャーなので『アイスコーヒー1つください』と。手話に挑戦して、無事通じてよかったです」 倉又さんが生きる音のない世界。 しかし、そこには手話という言語があり人々を笑顔でつなぎます。 お客さんが帰ろうとしたその時…… グループ客 「こうやるのかな(手話を練習)」 「そうだね」 「おいしい!また来ます。ありがとう(手話で)」 声は聞こえなくても、つながることができました。 倉又司さん 「せっかく聞こえない自分なのでその人生を楽しんだ方がいいと思います。手話と日本語2つの言語を私は持っています。手話で多くの人と交流でき、とても楽しいことです。以前は、聞こえない自分を恨むことがありましたが、今は良い人生を送っているなと思っています」 聴覚障害者が抱える社会の生きづらさ。 「誰もがのびのびと暮らせる社会に」 ハンデを乗り越えカフェを開いた倉又さんの願いです。 この記事は、TeNYテレビ新潟とYahoo!ニュースの共同連携企画です。